解放都市 ジパンリバティ

秋のやすこ

プロローグ 報告

ジパンリバティは、陸地から数十キロ離れた洋上に建設された超巨大海上都市。

都市全体は自己補完型のエネルギーシステムと太陽光利用技術によって運営されており、外部からの電力供給を必要としない完全自立型構造となっている。設立当初より「解放された未来都市」を掲げ、多くの民を受け入れた。


都市は大きく分けて二層構造。地上層は都市活動の中心で、最も人口が集中する生活圏。一方、空中層は都市上空に展開されており、強烈な紫外線を遮断するバリア技術により安定した気候を保っている。

両層を垂直に貫くように建っているのが「コアタワー」これは都市の中枢機能と移動インフラを担う巨大構造体である。地上層・空中層はこのコアタワーを中心に土地が展開されている構造をしている。空中層と地上層にはコアタワーを使用して行き来することができる。


ジパンリバティ建設から十年後、突如として未確認巨大生物が海底より浮上。後に『カルマ』と名付けられたこの個体は、常規兵器の一切が通用しない強靭な外殻と、圧倒的な質量・運動性を備えており、出現当初に地上層に甚大な被害をもたらした。この第一次災害では市民・防衛隊含む多数の犠牲者が出ている。


カルマはその後、二度目の出現を果たした。

都市中心部・コアタワー付近で出現し、それと同時に多数の小型生命体も現れた。これらは総称して『パラサイター』と呼ばれることになる。パラサイターは惑星環境に寄生し、原生生物を駆逐して拡大する習性を持つとされ、特徴はカルマとは異なるが、同源または同系列の存在と推測されている。


カルマと同型のパラサイターは確認されておらず、外見上は似た特徴を持つ通常個体群が存在する一方で、カルマは唯一無二の「異常個体」として分類されている。


第二次出現時、政府はカルマ以外のパラサイターの撲滅を発表。これにより表面上は都市の治安と安全は回復し、ジパンリバティは平時の活動を再開した。


なお、第二次出現以降、カルマと同様に通常個体とは異なる挙動や外見的特徴を持つパラサイターが数体確認されており、これらは総じて異常個体として新たに分類された。カルマほどの質量や影響力は持たないものの、一部は独自の知性や群れを率いる機能を有しており、通常個体と比較して明確に異なる性質を示している。


「パラサイターのことばっかで防衛については全く書いてないじゃんこれ」


「思ったよりも少ないな」


「まぁいいや、他の部屋行こう」

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