第8話 踊ろう!
踊ろう! 今夜は最高の日になるから。
くるくると回るたびに、びしゃびしゃと音がする。床に、壁に、一面に、赤色が描かれてゆく。ガクガクと首を揺らして、視線を彷徨わせるキミのなんとかわいらしいことか!ボクを見なくともかまわない。ボクが視線を合わせてあげるから。高揚する! 高揚する!! キミを手に入れて、こうして踊ることができている!
ボクが常々優しい顔を見せていたら、キミは簡単に手に入ってしまった。厚い信用がキミをこんなふうに、美しく変えたのだ!抱いて回っているうちに、キミの首がブチリと音を立てて肩甲骨の方へと向いてしまった。
ああ。あまりの歓喜に、優しさを見失っていたね。繋がっていたはずの、首の骨。未だ血液を流し続ける動脈と静脈。少しだけ覗く肉に、筋。まさに首の皮一枚でつながり、グラグラと揺れるキミの頭。それをそっと持ち上げて、元の場所に戻してあげる。そして、くちづけを交わした。心が満たされる。満たされてゆく。
キミのことを、好きにできるのはもう、ボクしか存在しない。その事実に酔いしれる。
首から流れ続ける血を、啜った。踊りに興じたぶんの喉の渇きを癒すように。鉄の味。塩味。人の匂い。すべてがボクを恍惚とさせる!
食べてあげよう。血液だけでなく、全身くまなく。
キミはボクの晩餐になる。幸せなことだろう? 今夜は最高の日になるのだ!
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