1話 目が覚めたら
んあ…??どこだここ…
俺は目を開け、起き上がろうとした。――が、どうにも視界不良、っていうか…
あぁ、そういえば左目をあの時の戦いでやっていたなぁ…などとしみじみ思う。
…っていうか、俺生きてるじゃん!!まじかぁ…あの技使っても死なねーんだなぁ…
そんな馬鹿なことを考えていたら、皆が病室――いや、ここでは教会の一室って言った方が良いな…に入ってきた。
「あ……!!く、クルス!!起きたのね!!良かった……!よ、良がっだぁぁぁ!!」
「あぁ……!!クルスさん……!!神よ…!!貴方様が起こしてくださった奇跡に感謝を…!!」
「あ……クルス…クルスぅぅッ!!」
おぉ…皆俺のこと心配してくれてたのか……俺は嬉しいよ…!!心のなかでだけど涙が止まらねぇわ…!
じーーっと、俺は皆のことを見る。うんうん、皆怪我はなさそうだな。
良かった…と俺はまた心のなかでほっと胸を撫で下ろす。
「これからはあんな無茶しないでよね!!…もう、本当に心配したんだからぁぁ…」
そう言いながら赤髪の彼女―――ラムゼはへなへなと床に座り込む。
彼女のトレードマークとも言える動くアホ毛も…今はしゅん…としていた。
おっふ…そんな事言われてもなぁ…あの時は無茶せざるを得ない状況だったわけで…
心でそう彼女に弁解しておく。
――ラムゼは俺の幼馴染だ。幼い頃から、共に剣の技術を高めるために一緒に稽古をしていた。まぁ、結果的には彼女のほうが剣の扱いがうまくなったんだけどね…。
…そう考えると、俺はハイリーパーと戦ってたときみんなの足を引っ張ってたんじゃ…??
うん…俺の存在意義が薄れている気がする…こんなことを考えるのはやめよう。うん、それが良いさ。
「本当に…良かったです。クルスさんが生きていて。クルスさんが生きてなかったら、私どうなってたか…」
こんなことを言っている金髪の彼女の名前はセレシス。性格から行動まで、何から何まで聖女。もはや人として見習いたい。そんな淑女だ。
…
実は、この国でも随一のヒーラーなのだ!!ひゃーすごい!!
――――俺もヒールを教えてもらうために魔法の特訓をしていたときもあったが、結局何もできずに終わっていた。……俺の価値が下がっていく…
あ、遅れたがこの世界の
髪色は赤、実は両目の色が違うオッドアイだったのだが――、あいにく、左目はあの時潰れて見えなくなってしまったため、右目の色だけ。右目はエメラルドグリーン。
この目の色は珍しいらしく、今まで少し苦労してきた。
顔面だが、俺は基本的には仏頂面で、感情を表に出すのが苦手らしい。
イケメンだと思うんだけどなぁ…
そして、我らがパーティ名は〈
いや、まじでかっけぇ。これ、原作で出てこなかったのまじかぁ…。
この名前はラムゼと俺で考えた。……俺は銀の部分しか担当しなかったけどな。
そんな事を考え、ぼーっとしていると――
「クルスぅぅッ!!」
「うおわッ!!」
なんか俺の腹に突っ込んできたが!?――と思ったのも束の間、ロリ体型の銀髪エルフが目に映る。
「何だ…ミュゼかぁ、驚かせやがってぇ!!」
たははと笑いながらミュゼの髪をワシャワシャする。両手でやりたかったが――なにせ左手はあの時溶けてしまったのだから。
いつも両手でわしゃわしゃしているため、物足りなかったのかミュゼが瞑っていた目を開け、戦慄する。
「――あ。」
それしか出なかった。私が何もしなかったから。逃げようとも、応援を呼ぼうともせず、ただただ恐怖することしかできなかったから。そのせいで、クルスが―――。
刹那、ミュゼの目から光が消える。
俺は彼女が唐突に声をつまらせたことに、なんかあったのかなぁ、とかそんな呑気なことを考えていた。するとおもむろにミュゼが口を開き、
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…ッ」
彼女から大粒の涙と悔恨の言葉が飛び出してくる。
うおぉぉぉぉ!!?何何!?どうしたんだミュゼ!?
理解できぬ!!何故いきなりこんなことに!?原作でもこんなシーンはなかったぞ!?基本的には健闘をした主人公のことを褒めたりするご褒美シーンだったはずでは…!!
――――そこで、一つ、ミュゼの飛びつきで忘れていたことを思い出す。
(――俺、モブじゃね―かッ!!)
そう、クルスはモブなのだ。モブゆえに、彼のパーティがどうなるのかは未知数。
そして、どんどん彼女たちの目から光が消えていくことも、彼は知らない…
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意外と見てくださってくださる方が多くて私、驚いております...!
すこし主の近況をば...
ここ1週間はテスト対策のため、上げることができません...
申し訳ないです...
「いや、書き溜めしとけよォッ!!」
と、思った読者の皆様!
いや、本当にそのとおりです、すいません。
今後はこのようなことが頻発しないよう精進いたします...
そして、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!
★をいただけたら主もやる気が出ますので、是非していただけると幸いです!
それでは――――
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