主人公の少年・焔龍一が転生したのは、すべての物事がカードゲーム『スピリット・ストラグル』によって決まるアニメの世界だった。龍一は、相棒である美少女カードたちと力を合わせ、世界征服を目論む悪の組織「黒札会」との戦いに身を投じていく。
「ビーストカード」は、ごく一部の選ばれし者だけが契約できる意思を持ったカードだ。すでに龍一は四体ものビーストカードと絆を結んでいるが、なぜか彼のもとに現れるのは、美少女カードばかり。それぞれ自己主張が激しく、龍一を振り回すが、目も覚めるような美少女たちとの賑やかな日常が飽きさせない。
いつも美少女に囲まれている龍一は、同級生から「女好き」とからかわれることもあるが、そんな声に動じることなく、相棒たちを信じ、熱いハートと冷静な頭脳でピンチを切り抜け、バトルを勝ち抜いていく姿がかっこいいんですよ。
物語が進むにつれ、異世界に封印された「闇のスピリット」を復活させようとする「黒札会」の陰謀が次第に明らかになる。龍一だけでなく彼の元に信頼できる仲間が集っていく光景も熱くて好きです。
「もしもトレーディングカードゲームの世界に転生したら」という夢とロマンに満ちた現代ファンタジー。現実でもTCG熱が富裕層を中心に高まりを見せている今、こんな世界が本当に訪れる日も、そう遠くないのかもしれない。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)