第6話

 ある日龍の城へ保護者としてついていくことになった。

 ヒールが使えるわけでもないので、最初は土の精やマンティスというでかいカマキリににプロボックという、挑発魔法を主にかけていた。

 それを使うとターゲットは俺に来て、敵の攻撃力が上がる代わりに防御力が下がる。

 つまりは遠方から弓矢で攻撃し、時には罠をかけられるアヤにとっては美味しい狩り方である。

 しかし逃げうちやダブルストレイフィングという、矢を二度打ちする技により、俺がいなくてもすぐ倒せることもあり。

 アヤが万が一囲まれるような緊急時の露払い程度、だった。


 騎乗した鳥から降り、徒歩でアヤと一緒に駆けて行った。

 

 海辺で休憩する。

 土地柄か、いつ見ても茜色に染まる海が綺麗だ。

 ぼんやりと、立ちながらその景色を見ていた。

 その刹那。



 どんっ!

 

 

「いたたた…アヤ何するんだよ」

 不覚にも前方から突き飛ばされ、仰向けになる。

「ほら。―――空が綺麗」

 そう言うと空を愛しい様に見つめる。


 茜色に染まる海と空が、まるでとろけあい、まじりあい、一つのものに感じられた。

 アヤは、俺に覆い被さり………キスをした。

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