第30話 マルゴワール家での休暇へ
第一王子様とマクシミリアン様がいた前後の学年の女生徒の中には退学者や病気による療養のために学園を去る人が多かったようです。その殆どが、第一王殿下とマクシミリアン様へのハニートラップを仕掛けた人らしいという噂です。成功しても失敗しても制裁を受けることになりますわよね。
私には精神疾患の知識は全くないので、マクシミリアン様の癒しになるような事は出来ないですけれど、せめて私自身がマクシミリアン様の恐怖の対象にならないように気を付ける事に致しましょう。
侯爵家のご家族の皆様には受け入れて貰えそうですし、マクシミリアン様とはたとえ白い結婚となっても同志として対等な立場で生きていくことが出来そうです。この世界にもモラハラ旦那やDV夫がいる様ですので、そんな方に嫁ぐことを考えたらよっぽどいいですわ。領地の為にも畑の考察を頑張ってまずは家庭菜園をやってみましょう。
まずは明日お手紙の返事を書いて、それから実家に帰る準備をしましょう。アルノーさんとも打ち合わせをして・・・。結構忙しいですわね。
あら、侯爵様たちの手紙を読んでいるうちに言葉遣いが貴族っぽく戻ってたわ。まぁこっちで生きていくわけだから、前世の言葉遣いは封印しておおいた方が良いんだろうけど、どう考えてもこっちの方が楽だよね。
夕食後そんなことを考えながら眠りにつき、翌朝はスッキリと目を覚ました。お一人様で生きていくつもりだったけれど、同志としての侯爵夫人として頑張っていく方向になりそう。でも、趣味と実益を兼ねた家庭菜園は取り敢えず許可を貰ったので楽しんで行こうと思います!
朝食の後手紙を簡単に六通したため、セバスチャンさんに届けてもらうように頼んだ。マクシミリアン様への返事は少し悩んだけれど、『まずは性別関係なく領地の為に出来ることを一緒に考える仲間になりましょう』と書いておいた。
昼食後、マリリーズと一緒にマルゴワール家のタウンハウスに帰る準備をして、アルノーさんと今後の事を話した。
休暇中に図書館で農業について、特に荒れ地の耕し方とかが載った本がないか探すつもりだと話すと、一緒に行きたいと言ってくれた。心強い申し出によろしくお願いしますと即答した。
今侯爵家のタウンハウスには紋章付きの馬車しかないので、私が乗って出かけられないので、アルノーさんがうちまで来てうちの馬車を動かしてくれることになった。社交シーズンでは無いので、うちにも使用人が少ないのよね。家は侯爵家と違って情報集めなんて言う任務は無いので、最低限の屋敷の維持管理が仕事になるものね。
知らないだけでうちの使用人も情報集めてお父様に送ったりしているのかしら。いやいや、それは無いわね。そんなことが出来る様には思えないもの。でもアルノーさんやティボーさんもそんなことできそうには見えないけれど・・・。
さあ、今日は早く夕食を食べて寝てしまいましょう。と思ったら、明日タウンハウスに戻るのに疲れが残っていては侯爵家の沽券にかかわります。と、ナディアさんを初めバルバラとエレーヌ、そしてロッテンさんとマリリーズまで参加してお風呂で念入りに磨かれ、その後マッサージもされた。つるつるピカピカになったが、チョット疲れたかも。夕食もいつもより豪華で、栄養もたっぷり取って就寝した。
翌朝つるつるピカピカに加えてプルプルになった私はマルゴワール家のタウンハウスにに戻った。朝マルゴワール家から紋章が付いてない馬車が迎えに来ていた。
久しぶりに我が家に戻った私は昼前からベッドでごろごろしていた。マリリーズに向かって私の隣をポンポンと叩くと、ニコッと笑って一緒にベッドに転がった。侯爵家の離れには大分慣れたし結構自由に出来る様にはなったけれど、昼間からごろごろは出来ない。ましてやマリリーズと一緒になんて絶対に無理。
使用人しかいないにしてもやはり気は遣う。嫁ぐ立場だし爵位も下だし仕方がないよね。それに侯爵家は侍女はもちろんメイドも貴族の子女のようだ。アルノーさんだって元貴族らしい。身元が確かな人しか雇わないのだろうけど、すべてが貴族ってどうなの?お給料にしたってバカにならないと思う。我がマルゴワール家は侍女でも平民が混じっていたりする。メイドから昇格した子たちだ。貴族の子女は結婚も早いし結婚と共にやめていく子も多いのだ。
侯爵家ではロッテンさんやセシールさんのように結婚しても続けている人が多いのは、お給料が多いのと子供が出来た時に面倒を見る体制が整っているかららしい。元々雇っている数も多いので、しょっちゅう辞められては仕事が回って行かないので、働きやすい工夫が色々されているようだ。
保育所とか育児休暇とか前世の制度がお役に立つかもしれないわね!と言いつつ詳しいシステムをしっかり覚えているわけではないので、チョット思いついたんですけど・・・位の話を小出しにしていこうかな。
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