【6話】#4〜#9 : 幽霊?そんなのいた??
●──#4
無事に残りのクラスメイトを見つけた俺と名畑さんは、2人を連れて校門前まで移動していた。
「確かに君たち3人は学校の外に
信じていなかったわけではないが、実際に見てしまっては納得せざる得なかった。確かに俺の目線では普通に校門は開いていて、そして何故か3人は見えない壁がそこにあるかのように抜け出せない。
……ねぇ、もしかして君たちパントマイム上手かったりしない?違う?そっかぁ…
「嘘、学級委員長はどうやって出られたの?」
「……普通に出れたが…」
「普通…」
いや信じられないものを見る目で見つめてこないでよ、照れるじゃん。……いや、ごめんて、冗談だよ。
しかし実際、彼らにはこの世界がどう見えているのだろうか?別世界に彼らがいたとして、俺が彼らをそして彼らが俺を見えているのはおかしいし、確かにそこにいる。
「考えられる説として、君たちが壺を開けてしまったことが原因なのではないか?壺の中身を見てしまった君たちの目にはおそらく何か別の世界が映り込んでいる、と”何も見ていない”俺は考えた」
「なるほどー、確かに学級委員長のいうとおりかもー」
「辻褄はあいます」
「ほへぇ、よくそんな考察がすぐに飛び出すなー」
まぁ、前世そういう漫画ばっか見てたからな。
展開はなんとなく予想できる。
「…私たちここから出られないのかな…?」
「名畑…」
まぁ、真実が分かったとて解決にいたるとは限らないよなー、でも──
「──方法はある」
「え?あるの?」
「学級委員長それは本当か?!」
簡単な話、
「根本の原因をぶち壊せばいい」
「えー」
「それをどうやんのか聞きたいんだよ!」
知るかぁ!お前らがどうなろうとこっちは知ったこっちゃねぇんだよ!俺は早く帰りたいんだ!!そっちの事情に俺を巻き込むんじゃねぇ!!
●──#5
──とはいえ、俺は学級委員長。クラスに行方不明者が出たらそれこそ順風満帆な学校生活の夢は崩れ落ちてしまう。そんなの絶対に嫌案件なので、今回は仕方なく彼らに協力しよう。あとこれが事件になったら目立ってしまうし最悪ニュースに乗るかもしれない。そんなことになったら俺は背景のモブでは無くなってしまうという理由もある。
「ほ、本当にいくのか?」
「化け物がいるかも…」
「お前ら帰りたいんじゃないのか?」
今回のイベントを解決するためには、根本の原因つまり『サトコの壺』とやらを壊せばおそらく解決するだろう。まぁ、その結果この学校がどうなるか分からんが。
「帰りたいけど……学級委員長は怖くないの?」
「そもそも鎌を持った化け物なんて俺は見てないからな」
見てないってことは知らないってこと、つまり全然怖くない無敵ってこと!……っていう謎理論を脳内でかましているが、俺もよく分からん。
幽霊が実在すると知ってからは、霊に関係ありそうな情報ばっか調べてたからな。調べた情報の中にはモノホンの呪いまであったくらいだし、そりゃ耐性くらいつくだろ。
あんときはマジで政府に殺されるかと思ったぜ…!
あと俺だって一度死んでるし、幽霊にあったとて、”やぁ、君たちも死んだの?仲間だね!”ってならない?え、なるわけない?そっかぁー…
「開けるぞ…」
おっと、気づいたら倉庫の前だ。
「出ないかな…」
「大丈夫だろ」
この倉庫に来るまでに化け物を見たか?見てないだろ?幸運体質なめんな。
「地下はどこにあるんだ?」
「倉庫の奥、まぁ見れば分かるな」
恐怖心が薄れてきたのか高橋さんはずんずんと奥に進んでいく。こいつのメンタルすげぇな、もしかしたら化け物が出待ちしてるかもしれないのに。……ん?人のこと言えないだろって?何を言ってるんだい?その通りだよ!(錯乱)
「ここだ」
高橋さんについていったらいかにもヤバそうな地下に続く階段があった。その傍には階段を隠していたのだろう板が立て掛けられている。俺は思わず顔を引き攣らせた。
「えぇ…(ドン引き)」
ねぇ、さ、聞きたいんだけど君たち、なんでこんなヤバそうなところ入りたいと思ったの?普通は引き返さないかい?なんか体に害がありそうな黒いモヤみたいなのが地下から溢れ出してるんだけど?霊感0の俺でさえ見えるなんて、なんかヤバそうだよ?正気?
「いやその信じられないって顔やめてくれん?」
「あはは…」
「確かにー、今みるとなんで私たちこんないかにもって感じの場所に入りたいと思ったんだろうねー」
高橋くんは俺の心境を察してツッコミ、名畑さんは苦笑いをし笹木さんは遠い目をして言うのだった。
●──#6
階段を降りた先には何も無い広い空間だけがあった。…いやごめん、嘘ついた。あるわ件の
「……あれがサトコの蓋か」
物凄ーくいかーにも危険そーな邪悪なオーラした壺が、そこにはあった。
…ねぇ、君たちマジで聞きたいんだけどさ、なんでこんな壺の蓋を開けようとしたのさ?!信じられねぇよ…!!(2回目)
「なんとなく学級委員長が言いたいこと分かるのなんで?」
知らんがな。
「これ、壊すんだよね?」
「えぇ、無理じゃね…?」
「壺なんだから思いっきり床に叩きつければ壊れるだろ」
「はぁ?」
「普通はそうなんだけどさー、これそんな衝撃で壊れるものなのー?」
笹木さんの言いたいことは本当にそう。実際マジで呪いの壺みたいだし(悪霊が封印されてる系の)、普通に壊れるかは謎だが。まぁ、やってみないと分からないだろ。
「それじゃあとりあえず壺を持ち上げてみ──はぇ?」
とりあえず壺に近づく、何気に緊張していたからか若干深く踏み込んでしまい、そして──足に何かが
(あ、これ、コケたわ……)
ゆっくり流れ出す時間の中、そう悟ると同時に落ちる視界で見えたものは、クマが鮭をくわえた木彫り人形だった。……なんで木彫りの熊がそこにあんだよ?!?!俺は内心ツッコミながらそのまま重力に身を委ねて──頭に強い衝撃を受ける。
──ガゴン!バキッ!ボコン!
…とても人がコケた後だとは思えない音が聞こえて来たんですけど!?まぁ、それよか俺は──
「ッ〜〜!!」
──頭をぶつけた痛みに悶えていた。
「学級委員長?!」
「大丈夫!!?」
「ま、まじかよ…」
しかも俺、頭突きで呪いの壺割ったし!
見た目の割に結構もろかったのか、俺の頭がハンマー並に固くて衝撃が強かっただけ?どっち?!後者だったらいよいよ俺ロボット説が浮上するんだが!!??
「……普通に割れたぞ」
「割る方法は普通じゃなかったけどね?!」
全くもってその通りだよ!!
●──#7
学級委員長が壺を頭で割った直後、学校が揺れた。
ゴゴゴゴゴ…と、地鳴りのような音と共に視界が軋み歪み出していく。
「ね、ねぇ!これヤバくない?!」
「嫌な予感しかしないねー?」
私たちはその肌で感じるその”嫌な予感”に冷や汗を流した。
『───』
ゾクッ
その時今まで生きてきて感じたことのない悪寒が走った。いや違う。これはこの悪寒は、
「なっ!?」
私たちは本能で振り向く、そこには学級委員長と合流してから一度も見ていなかった、全身黒いもやがかかった鎌をもつ化け物だった。
「どうして……!?」
「ハハッ、そりゃ誰だって自分の心臓壊されたら怒るよな…」
「……どういうことだ?」
未だに状況を理解していない学級委員長はこの怪物が見えていないのか?周りを見渡して怪訝そうにしている。いや、それはともかく──
「逃げるよ!」
「おう!」
「異議なーし、ほら学級委員長も逃げよー?」
「わけがわからんが、とりあえず逃げればいいんだな?」
学級委員長は終始理解できていないようだが、とりあえず一緒に逃げてくれるようだ。私たちは階段を駆け上がって倉庫から出る。
「赤い空が!」
「溶けてる?」
それはまるで空を覆っていた氷が上から徐々に溶けていくように映る光景だった。おそらくあの壺を壊した影響だろう。
「化け物はー?」
「追ってきてるよっ!!!」
「えっ、化け物????」
化け物は一心不乱に鎌を振り回しながら私たちを殺そうと追いかけてくる。化け物の方が若干足が遅いおかげでなんとか逃げきれているが、転んだりしたら一発でアウトだ。
「こんなこと現実に起きるもんなのかっ!リアルあ〇おにやってる気分だぜ!」
「ちょっとそれ言ってる場合?!」
「頭にフィンフィンフィンフィンフィン♪って流れ始めちゃったー」
「やめて!私も流れてきたから?!」
「何やってんのお前ら…??」
私たちは校門に走る。先程まで謎の力で閉ざされていた校門はいつの間にか開いていた。私たちは校門を潜り学校から脱出する。
「でら…れたの…?」
「私たち生きて帰れたねー、よかったー」
「はぁ、なんか夢みてぇだ」
私たちは揃って安堵の息をもらす。
「化け物は?」
「あれ、いない…」
「俺たちが学校を脱出したから追えなくなって消えたのか?」
高橋くんが言ったそれ以上の答えが見つからない。
「…はぁ、何がなんやらわからんが、何とかなってよかったなお前ら」
学級委員長は赤い空とか化け物とか見えていないから何が起きているのか分からなかっただろうに最後まで私たちに付き合ってくれた。やっぱり学級委員長はいい人なのだろう。
「学級委員長…、本当に何から何までありがとうございました」
「本当だよ、まじで感謝しかない。ありがとう学級委員長、俺たちを助けてくれて」
「感謝観劇恐悦至極ー、パネェ学級委員長ー」
「どういたしまし…ん?まておい最後のはちょっとおかしくなかったか?」
そんな学級委員長との会話に少しクスリと笑ってしまった。
●──#8
脱出できてからしばらくはまるで夢のようだった。実感がわかない、のかな?さっきまで非現実的なことがあって、私たちの身に起きたあれは一体なんだったのか?多分、ずっと考えても
……そして皆は、日常を取り戻すようにそれぞれの帰路についた。そして私だけ、その場に残り後ろを振り向いた。
『
「あはは、やっぱりいたんだ幽霊…」
消えゆく魂がそこにはいた。おそらく彼女の心臓である壺が破壊されて怨念だけが残った姿がこれなのだろう。
「でもごめん、私じゃ助けられないの」
せめてもの救いとして私は言ってあげた。
「私じゃない人たちに救われてきなよ」
私は踵を返した。
●──#9
俺は無事に家に帰って、家に帰ったら両親に
俺はベットにだいぶする。
もう今日は寝たい。疲れた。
制服を着たまま布団に潜り俺は微睡みの中で思い出す──
────あ、あいつらに口封じすんの忘れてた!!
────────────────────
実は今作あまり作者出しゃばらないんですよ〜、え?知ってた?
…あ、この回後から少々話を改変しました。
前より結構いいと思います。
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