本当に作家性の高い、素晴らしい書き手様だと感じました。
注意書きの通り、時には魂を抉られるような重厚な展開に圧倒されますが、その世界観にぐっと引き込まれてしまいます。
(この作品には民族迫害、非人道的な扱い、精神的暴力・幽閉などの描写が含まれます)
安易な救いを許さない厳しい世界観──
・北の山岳地方の少数民族の少女と、その少女に歪んだ執着を見せる南国の軍事大国の狂った獰猛な王子。
・北国の鮮烈な雪吹雪の情景と、南国の生暖かい空気が対比される、その描写の力。
・民族が浄化され、言葉も文化も異なる中で、すべてを否定され、戦利品として物のように扱われる少女。
でも、このビターな世界観だからこそ、光るものがあるんですよね。
ふとした回想シーンの切なさ、夢に描かれる死の美しさが、どうしようもなく胸に迫ってきて…。そのコントラストが本当に鮮やかで、忘れられなくなります。
それに世界観と設定の出し方の妙!固有名詞ひとつとっても説明臭くならず、すっと入ってくるんです。
このお話、デパ地下の高級ケーキみたいな作品だなって思いました🍰✨
無料だからって急いで食べちゃうのは、本当にもったいない!
一口一口、じっくり丁寧に味わってこそ、その本当の美味しさがわかる…そんな特別な物語です。
素敵な作品をありがとうございます♡