第7話 実体験「アクサラに二回出会った話」

 最初は高校生の時。


 部活終わりでいつもよりは遅い時間に、家の近くを歩いていた。

 あと少しで家に入れると思った時、道路の奥に誰かいた。

 電柱の明かりにともされて立っている、赤いコートに赤いつば広帽子をかぶった人。


「あ、赤い女じゃん」


 当時、流行っていたホラーゲームで出てきた「プレイヤーだけを狙う霊」

 通称「赤い女」

 それが現実に現れた。

 といっても、私は無視した。

 ゲーム実況で見ていたためか「ゲームと現実の違いがつかなくなるまで見すぎ」と笑った。




 1年後、私は就職した。

 深夜、同じように家に帰ってる時だった。

 赤い女が立っていた。


 家の脇にある電柱の下に、立っていた。


 まぁ、無視した。

 一瞥して、終わり。

 当時は、仕事に忙殺されていた。

 正直、構う理由がなかった。早く休みたかった。


 後日、調べたところ「アクロバティックサラサラ」がいるらしい。

 全部、見かけた女と同じだった。

 


 声をかけてたら、どうなっていたんだろうね。

 

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