代わる代わるやってくる世界各国の要人たちとの面会をこなしていくうちに一週間。

 王都に来てからの生活は瞬く間に進んでいった。


「……これ、貴方の危険性を世界中の人に知らしめる為の会談だったりしないわよね?」


 今日も多くの人たちの面会を終えたお嬢様が執務室で頭を抱えながらポツリと言葉を漏らす。


「可能性はありますね」


「ありますね!じゃないのよ!どうするのよ!?」


「仕方ないではありませんか。この場にお嬢様を除いているのは私だけ。ただ一人、使用人も連れずに他国の要人と向かい合うおつもりですか?」


「……まぁ、それもそうね。うーん。相手が動くのを待ちすぎかしら?こちらからもやっぱり能動的に動いていくべきかしら?」


「うーん。どうでしょうか?というか、そもそもの話何か出来るのですか?」


「……」


 素朴な僕の疑問に対し、お嬢様は沈黙で返してくる。


「お嬢様」


「……変なことを聞かないで頂戴。王都での私のコネはナターシャくらいのもの……でも、あの人は今、辺境の地に湧いたという一体の強力な魔物の討伐の為に王都にいない。この王都で完全に独りぼっち。そんな状況で何かできるわけないじゃない」


「あらら」


「……わかってて聞かないで頂戴?性格悪いわよ」


「そんな状況ですが、お嬢様とてそんな心配しているわけではないでしょう?」


「……気がかりなのは三日前から領の報告書が私の元にまで届いていない件ね」


「うーん……領自体で問題が起きている感じはないですが」


「周りで何かが動いているわね。何処かで、私宛の書簡が止められているわ。面倒な、事態になっているのは変わらないようね」


「そのようですね」


「……嫌ねぇ。どんどんこちらの状況が悪くなっているように思わされるのは。受け入れる、と決めていても嫌なものだわ」


「ですが、悪いことばかりではないでしょう?基本的に接触してきた者たちは友好的な交渉をまとめて終わりました。これから先に起こるであろう一波乱。その勝者がお嬢様となった時のことを考えての行動でしょう」


「……そうね。もしも、この一週間で決まった交渉事がすべて滞りなく進めば、ウィリアムズ領は確かな発展を遂げることが出来る。そう考えると、やっぱりプラスと捉えるべきかしらね」


「そうですよ……ん?」


 弱きになっていたお嬢様を僕が慰めていると、一羽の鳥が執務室の窓のふちに降り立ち、くちばしで窓を叩く。


「書簡ですね」


 窓を開け、中に入ってきた鳥の足には一つの書簡が括りつけられていた。


「内容は?」


「……王城への招待ですかね。これは」


 鳥の足に括りつけられていた書簡には会議を行う為、王城に来る旨が記されていた。

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