祭りの日
ピッピ、ピッピ。「鳴き声・・・?もう朝?」ナギはゆっくりと目を開けた。
「ここ何所?」私はしばらくボーとした頭で考えた。
「そうだった、カルディア国に転移したんだった」私はそう言うと起き上がった。
ワン!ワン!「え、リーフ?」ベッドから降りて窓から外を見ると馬に乗った男の人が来ていた。馬から降りるとリーフをなでている。「誰だろう?」そう思っていると「ニャン!」
「そうね、どっちにしても着替えないと」と私は思い、昨日来ていた服に着替えて鏡で身だしなみを整えた。
「ナギ起きてる。降りてらっしゃい」エマの声がする。
「はーい!」私は返事をして階段を下りた。
「こちらにいらっしゃい、カイを紹介するわ」私はエマの隣に立った。
「カイ、この子がナギ、昨日異世界から転移してきた子よ」
「カイと言います。よろしくお願いいたします」
「ナギです、よろしくお願いいたします」と私たちは挨拶を交わした。
「朝ごはんにしましょう。ナギ、今日町でお祭りがあるの。カイと一緒に行ってくるといいわ」
「お祭りですか?」
「ええ、この国を見て欲しいしね。そうだ、顔洗っておいで」エマがそう言うので私は顔を洗いに行った。
顔を洗って戻ろうとしたらカイが待っていた。カイは近寄ってきて小声で
「俺の真名はカイト。何かあったら呼ぶといい。そうすれば俺に届く。それと君の真名を知りたい」私は小声で自分の名を教えた。「解った。これで言葉がお互い届く。使わなくていいならいいんだが」カイはそう言うと食卓の方に戻って行った。
食事はとても美味しかった。「ごちそうさま。片づけますね」と言って私は食器を持って流しへと行った。
私が食器を洗っている間、カイとエマは何やら話をしていたようだが、良くは聞こえなかった。
私が洗い終わると、エマが「ナギ、着替えてらっしゃい。サクラ服を選んであげて」
「はい」「ニャン」私はサクラと部屋に戻った。サクラに服を確認して外着に着替えると一階に戻った。
「うん、よくお似合い。カイ後は頼んだわよ」
「はい。お任せください。行きましょう」と私の手を取って外へと連れ出し繋いでいる馬の方に向かった。
「馬に乗ったことは?」
「無いです」
カイは私に手を貸し馬に乗せると自分も乗り、
「しっかり
私は初めて馬に乗ったので、掴まっているのがやっと。周りを見る余裕などなかった。
どのくらい走ったのだろう。馬の速度が遅くなり、
「着きましたよ」とカイに言われ私はやっと目を上げた。リーフとサクラが付いてきていることにも気づいた。
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