第4話 雨上がりの森で彼女は踊った

 小雨のぽつぽつ降る中、彼女はやってきた。

「良いのか、雨だけど」


「晴れるよ、きっと」

 彼女が言うなら、そうかも知れない。

 晴れた。


 彼女を森に連れていく。


 俺は彼女を、アマネ様、とは呼ばない様にした。

 だって彼女はユズリハとして、ここに居たいだろうから。


「君なら、どこへだって行けるよ」

 俺が居たいのは、君の隣なんだけどな……


 雨上がりの森で彼女は踊った。


 彼女が来ると自然が喜ぶ。

 彼女は輝きの中で生きていた。

 もう隠せない。

 俺は君が好きなんだ。

 そして。

 彼女が輝くにつれて。

 会う機会を失っていく。

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