第3話 それはいと、美しき輝き
太陽の巫女が巡行する。
現人神の御出座の報を聞いて、大勢の人がやって来た。
感嘆を漏らす者も居れば、有難がる者も居る。
その中で俺は、唖然としていた。
鈴の音が鳴る。
アマネ様。
皆、祈る様に跪く。
黄金の輝き。
美しき神が地上に降りてきた。
ユズリハじゃない、のか?
彼女の腕にある素朴なミサンガだけが。
ユズリハにとって、願いの拠り所の様で悲しかった。
(ユズリハ)
声を掛けようとするも、彼女は俺の機先を制する。
一瞥。
ただ、それだけの視線の交差で理解した。
彼女の気高き覚悟と凛とした強さが燃えていた。
でも、見送る背中は光を背負うには余りに華奢で。
なのにユズリハは。
人間でありながら、太陽に向かう覚悟で前へと進み。
その横顔は巫女として務めを果たす強さを宿していた。
あんなにも人間であることを喜んでいたのに。
彼女は俺の届かない人だった。
それが、少し寂しかった。
それでも手を伸ばしたい。
シリウスはそう思った。
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