このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(134文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(446文字)
瘴気に蝕まれた世界で、地に這いつくばってでも懸命に生きる冒険者たち。明日は生きていられるのかどうかさえも分からない、仄暗く荒んだ日々の中に流れる温かさが不思議な魅力を持った作品です。寄り添う訳ではなく、でも共にもがきながら手を差し伸べることもあるギルドの仲間たちの冒険を最後まで見届けたいと思いました。
読み始めた瞬間から、ずっしりと胸にのしかかるような重苦しさに引き込まれました。世界が崩れ、何もかもが失われた中、それでも生きていくしかない人々の姿がリアルで、痛々しくも美しいです。アーレンの葛藤や、ライラとの関係の切なさがじわじわと染みてきます。派手な展開ではないけれど、台詞の一つひとつ、描写の一行一行に、積み上げられた人生の重みを感じます。これは、戦う物語ではなく「生き残ろうとする者たちの物語」。まだまだ始まったばかりですが、次が楽しみです。
世界の雰囲気がすごく良くて、めちゃくちゃ陰鬱なのに逆に引き込まれました。泥とか冷気とか、酒場の匂いや街の空気感までちゃんと感じられて、すごく好きです。キャラたちもみんな軽口叩きながら、どこか壊れてる感じがリアルで良い。特に主人公が死病と絶望を背負ってる描写が切実で、読んでると寒さまで伝わってくる気がしました。仲間との距離感も「必要最低限の繋がり」って感じがすごく好みで、こういう乾いた人間関係が好きな人には本当におすすめだと思います