一話を読み終えたとき、しまなみの海を渡る橋のような感覚があった。まだ半分ほどしか架かっていないが、その先に続く景色を想像したくなる。登場人物の間に流れる間合いは、潮の満ち引きのように静かで確かだ。桐山の登場が、港町に吹く一瞬の風のように物語を動かす。まだ読ませていただいたのは、一話のみですが、この静かな序章には、しまなみの海のような深さを感じる。