会えない夜にも会える
野口み里
会えない夜にも会える
お揃いの着信音はどっちから鳴らすんだろうLet it be.
Wi-Fiが二人を繋いで夜に浮かぶ星座になった阿佐ヶ谷の夜
通話越しうっすら聞こえる猫の声あなたが誰かに優しい証
「うん、うん」とわたしの言葉を噛み締めてきっと右手で仔猫を撫でてる
声だけでいじる前髪目に見えてあなたの癖を知ってる至福
「ディズニーの日は雨だって」を晴れさせた「二人が入る傘持ってくね」
「またね」ってバイバイと違うサヨナラが耳に跳ねてて眠れないかも
お別れに言えなかった「好きだよ」を猫のお辞儀のスタンプに託す
キッチンの洗い物に向かうふさわしい女になるぞと二十九の夜
お揃いのおやすみスタンプ送りあう夢の中では直接言うね
会えない夜にも会える 野口み里 @misato630
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます