第2話 言上と接触
「じゃあ、まず買い物に行くわよ。」
「え、、なんで?」
「だってあんた、女の子用の下着も服も、何も持ってないじゃない。それで同生活してくの?ほら、早く行くわよ。」
「いや、服に関してはほら妹が忘れたのがあるし、、、」
「昨日来てたやつ?悪いけどサイズあってなかったわよ。それに下着持ってないのは変わらないじゃない。」
「っく、買いに行くしか無いのか。」
「ほら、早く行くよ。」
「いらっしゃいませ~」
店員さんたちの声が響く。夏澄が店員さんに話しかける。
「あっ、この子初めてなんです。教えてあげてください。」
「お任せください。」
そのまま試着室の中に入り、サイズを測られた。
「、、、、、、」
「いいじゃん、スポブラ!」
「う、、、ううう、、屈辱だ。」
「ほら、今回は私の持ちでいいから落ち込まないの。」
「っく、、」
「あと、下のも買わないとね。」
「う、う、ううう、、、」
結局どっちも買った。今、もうつけている。違和感がすごい。けどなんかしっくりくる気がする。それがなんかすごい屈辱的だ。
今はサイズの合う服を買いに服屋に来ていた。今着ている服は以前から持っていたTシャツにジャージであり、どっちも今はブカブカになっていた。
夏澄に試着室に入っておいてと言われ、待っていると夏澄が数着、服を持ってきた。
まず一着目、夏澄が渡してきたのは白いワンピースだった。スカートが膝の下まであり、腰にリボンの装飾がついていた。渡されたワンピースを着て試着室を開ける。
「っく、、」
「すごい似合ってるわよ。」
夏澄はそう言いながらまた別の服を渡してくる。
「え〜、まだあるの〜?」
しぶしぶ服を受け取り、試着室の中へ
二着目は黒いTシャツに灰色のロングスカートという組み合わせだった。装飾は少なく全体的にシンプルな感じだ。もう一回服を着替えて試着室を出る。
「あんた、何でも似合うわね。」
その後もそんな調子で何着か着せられ、着せ替え人形に徹していた。
試着した服を買い、服屋を出る。
帰るためショッピングモールの外へ出た。
「あ、ちょっと本屋よってっていい?」
「別に私はいいけど、なんか買いたい本でもあるの?」
「うん、今日は新刊の発売日だから」
「もう、すでにラノベ今月で何冊かってる?」
「まだ五冊しか買ってないよ、、」
「まだ七日よ!読者習慣のある人でもそんな買わないわよ!」
「そんなの俺の勝手じゃないか。」
「あんた、今まで本買いすぎて月末辺りに私にお金借りたこと何回ある?」
はは、もうわからないぜ。
「何回だろうか。」
「十一回、十一回借してるわ。全額返ってきたけどあんた借りて、翌月返してみたいな生活をループしてるじゃない。」
「今月は借りないから、ね、、」
「じゃあいいけど。今月は絶対貸さないからね。」
「わかってるって」
そう言って本屋に駆け込んで、早速今日出た新刊を買い、ルンルンで店を出た。
帰路についていると夏澄が話しだした。
「あ~、そういえば今年も
「いや、今んとこ参加する気はないよ。てか、あれは学園内でも戦闘好きなやつが参加するやつだろ。俺はできる限り戦いなんてしたくないの。平和主義者なの。」
一応学校で能力の使い方や戦闘訓練というものはあるが、大会に参加しなかっり、将来軍隊に入る生徒以外にとっては体育と大差ないだろう。
「ふ~ん、けど今年は誰が一位になるかは気になるわよね?」
「今年も
「私は『
「あいつか、最強の魔術使いとか言われてるけど、他の魔術師がどでかい魔法で高火力出す中、あいつはただの銃じゃん。それなら『
大会の話題がでてきたってことは今年ももうすぐ前半が終わるってことだ。
ちなみに一位の話はしないが、皆心のなかでどうせまた一位は同じだよとか思っているためである。
俺はこのままどうなるのだろう。このまま戻れず行きていくのだろうか?だとしたら将来はどうなるんだ?
そんな考えが脳を巡る。
そもそも何が原因何だ?
「なぁ。」
「ん?どうしたの?」
「俺が女になった原因なんだと思う?」
「う~ん、それはわからないけど。こじつけるなら最近話題の“異能暴走”事件、あれと関係があるのかも。もしくは何らかの病気か、その他か。まあいずれにしても調べてみるしか無いわよ。」
「まあ、そうだな。」
明日から本格的に調べ始めるとしよう。
その後家の近くで夏澄と別れ、家に帰り買ったものを置き風呂に入る。
上がって飯を作り部屋でまったりしていた。
コンコンコン、、、コンコンコン、、、
窓の方からそんな音が聞こえた。窓の方に目をやると、、、
一人の男がベランダに立っていた。サングラスをしていて目は見えず服も夜の暗がりに隠れよく見えない。
男が何か板を取り出し、ゴソゴソとする。その板をこちらに向けてきた。
『入れて、ここから降りられなくなっちゃった。 テヘペロ』
と書いてあった。何がテヘペロだ。
俺は怪しいものを家にあげるほど平和ボケしてないんだ。隣の和室に移動しそこの窓から顔を出しベランダのほうを向く。
男と目が合った。
「やあ、僕をさ、君の部屋に入れてくれないかい?話したいことが―。」
「嫌です。」
俺は窓を閉じた。
「開けて!ねえ、お願いだから開けて!」
男の声を無視して音楽を聞こうとスマホで音楽を探す。
「なあ、君男だろ?」
男がそんな事を言った。
「は?」
俺は鳩が豆鉄砲を食ったみたいになった。
俺は男にこう言う。
「なぜそれを知ってる?それを知ってるは夏澄と
「取り敢えずさ、ここを開けてくれない?」
俺は男のことが気になってしまい窓を開け男を部屋に入れた。
男にはローテーブルの向かい側に座ってもらった。
男は背が高く、革のジャケットを羽織っていて全体的に落ち着いた雰囲気だ。髪はブロンドで、目元のサングラスは暖色っぽい色で、目はよく見えなかった。
「まず、ごめんね、驚かせちゃって。僕の名前はバロール・フィッツシモンズ。」
「ああ、外国の方ですか。」
「そうだよ、この名前あんま通ってないんだよね。、、じゃあ“
「、、え、、」
「ま、この名前、勝手につけられてたんだけどね。」
“
しかし目の前の男は銃など持っていなかった。
「僕はさ、一応島内では最強の一角だとか、なんやら言われてるけどさ。僕はそういうのに興味ないんだよね。、、この島でホントに力を手にしたいなら、居るのは知識と情報だ。」
バロールは話し続ける。
「ねえ、
「ちょっと待ってください」
俺はバロールの話を遮った。
「なぜ、俺の名前を?」
「ああ、そんなこと?話し相手の名前ぐらい知ってなきゃ駄目だろ?」
全く納得は出来なかった。
「君にすべてを話すことはできないけど、君の体の変化とその原因については教えてあげてもいい。」
バロールは俺に「聞くかい?」と聞き、俺はと少し迷って「聞く」答えた。
「まず一般市民の君たちは知らないだろうが、この島には幾つかの勢力があり、たま〜に小競り合ってる。今回の件はそのうちの一つの勢力によるものだ。君の友達が言ってた“異能暴走”事件と関係あるってのもあってる。すごいね。奴らはとある方法で人々の異能を暴走させてるらしい。」
「その方法って?」
「そんなのわかんないよ。僕だって知りたいよ。けどさ敵対してる勢力の内情なんて簡単に知れるもんじゃない。」
「ちなみにその暴走させてる勢力ってのは?」
「ああ、“アビリティ”って言う組織だよ。まあ名前を知ったところで検索して出てくるわけでもないから意味ないと思うけど。ただそこのリーダーは知ってるよ。」
「だ、誰ですか?」
「統一戦前年度四位、“
「
「実際に戦ったことは一回しか無いけどそのときはドローだったんだよね。ま、二年前の話だけど。」
数ヶ月前、丁度昨年度の統一戦がやっていた頃。テレビで試合の中継を見ていた。試合風景を見ても何も分からなかった。彼が手を前に構えると相手選手がなぜか倒れたことだけ覚えている。決して相手の選手が弱かったとかではない。仮にも本戦に出場している選手なので一般生徒の数十倍の戦闘能力を有していると考えられる。
「名前は
「なるほど。ところで何でこんなことを俺に?」
「ああ、そんなのカンタンだよ。
そのあとに「使わない選択肢なんてないでしょ。」と付け加えた。
「なるほど、事情は分かりました。」
「じゃあ今日は一旦帰るとするよ。またね。」
「あ、はい。さようなら。」
「あ、一応何かあったら連絡して。」
渡されたメモには電話番号とメールアドレスが書いてあった。
そう言ってバロールは帰っていった。
嵐のような人だった。しかし、前年度第五位だとは思えなかった。ノリが軽いしあまり強そうには見えなかった。
それよりもだ。この事件の主犯格、久瀬秀帝、桜世高校の二年生。桜世高校といったら島内でもトップレベルの高校だ。しかしここ最近は登校していないみたいだし、どうしたものか。そもそもバロールの言ったことが本当かどうかも怪しい。俺に彼奴等が犯人だと嘘をつき、自分の敵対勢力を潰そうとしてるのかもしれない。
しかし勢力の話まで嘘とは思えない。そうじゃないとわざわざ嘘を付く理由が見当たらない。
取り敢えず、
その日は床に就き、次の朝を迎えた。
取り敢えず朝になり、朝食を食べ出かける準備をした。
先日、
電車に乗り、
電車を降り、
桜世学院高等学校・中学校。かなり層の厚いマンモス校で、在校生は高等部だけで千六百名を超える。敷地も広く、野球場、テニスコート、訓練場、グラウンドが二つ、そして高等部と中等部の大きい校舎、それに加え弓道場などもある。
しかし最近は登校していないようだし、どうやって久瀬を探そうか。
路地でそう考えていたとき、二人の男に声をかけられた。
「おーい、そこのお姉さ〜ん。今一人?だったら俺等とお茶しな〜い?」
ありきたりなナンパだ。
「いえ、お断りします。今大事な用事があるんで。」
「誰かと待ち合わせ?友達?じゃあその子も一緒にどう?」
「だから、お断りしますと言っています。申し訳ないですが、用事がありますので。」
「ねぇそんな硬いこと言わずにさー。」
「俺等と遊ぼうぜ。ホント、ちょっとお茶した―。」
「すいません。僕のつれですので。」
一人の男がそう言って
「あ、ありがとうございました。」
「いえ、お困りのようでしたので。」
男は笑顔でそういった。男は髪色が金色だったが嫌悪感はなかった。それはきっと彼の髪の毛が天然のものだからだろう。チャラさのようなものはなく、好青年という感じだった。
「な、何かお返しさせて下さい。」
「いえ、そういうのはいりませんよ。」
「そうですか、では、名前だけでも教えていただけないでしょうか。」
「そういうなら、僕は
「、、え、、、」
こいつが久瀬。バロールが言っていた一連の事件の犯人。この好青年が。俺は身構える。
「あれ、もう名前も知られてたのか。」
久瀬はそう言い、指をパチンと鳴らす。それとともに後ろから何者かに羽交い締めにされ、何かを吸わされた。
そこで俺の意識は途絶えた。
次に目覚めると、椅子にくくりつけられていた。
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