きっと君はまだそこにいる
はるのひ
序章:嵐の前の静けさは、僕には少し辛かった
0: きっと君はもうそこにいない
夜がまたひとつ明ける。
僕の目は相変わらず同じトーク画面を眺めていた。
「ねえ」
と送れば、前のように返ってくると思ってしまいそうになるほどに。
寸前、僕は文字を消す。
文面はもう送らない。
きっと既読も付かないだろう。
それでも僕の指先は文字を打ち続ける。
あの日見た君を、僕は忘れない。
今も、これからも、ずっと。
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