9)サルとオトコノサガ
『ワイルドモンキーをテイム』
俺は今、キュリの実を手当たり次第、異空間の収納に入れている。
初めのサルをテイムしてから2時間ほどが経過し、日がだいぶ傾いてきた。
森にいる魔物の中だと、ワイルドモンキーが1番、力のステータスが高かったので、ワイルドモンキーを集中してテイムしている。
ポイズンスネークをテイムしたのはスキルが欲しかったからなので、一体だけだ。
モグラに関しても、モンちゃん以上に性格いいやつがいると思えない、ていうか地上でモグラを一度も見ていない。
「この木は使える?」
アイリスが大木を指差してる。
「ああ、頼むよ。」
アイリスはうなづき、
ズバンッ
おなじみの風魔法を放ち、木の枝を何本か切ってくれる。
俺はそれを集め、収納に入れていく。
収納の容量は、なんか計算式があったけど、いっぱい入るということがわかればいいからちゃんと見ていない。
「よし、これだけ集めれば十分だろう。この辺で火を起こそう。」
『ワイルドモンキーをテイムしました。』
お、今ので20体だな。
3体ほどで囲めば1体テイムできることがわかり、サル達だけにずっとテイムを任せていたのだ。
(みんな、一度集まってくれ。)
ゾロゾロと、でっかいサルたちが集まってくる。
なんだこの光景は。
「集まったな、じゃあ呼ぶ時困るから名前つけてくぞ。呼ばれたら返事しろよ。」
俺はサル18体にサルBからサルSと順番に名付け、ヘビにはヘビと名付ける。
これでアイリスとモンちゃんを除いて20体テイムしたことになる。
名前:リン
種族:ヒト[役職-テイマー]
魔法:なし
スキル:
耐性:痛覚耐性
状態:なし
<LV.>13
<HP>61/692
<MP>196/5453
<力>663
<耐久>551
<敏捷>1346
<魔法効率>4419
<魔法防御>768
今のステータスはこんなかんじ。
ひとまずはこれでテイムをやめようと思う。
理由としては、テイムしてしまうと経験値が入らないというのと、こんな顔がイッてるサルばっかりに囲まれてると俺の気がおかしくなりそうだからだ。
たまにサル達が魔物を倒したりしてるが、俺のLVはまだ13で、以外と上がりにくい。
「俺は火を起こすから、お前達は周囲を囲んで見張っておいてくれ。」
「「「「「「グォーン!」」」」」」
俺は火を起こす作業に集中する。
「火魔法が使えたら楽なのにな。」
アイリスに風を集めてもらって、無人島でやるイメージの摩擦機みたいなのを作り、火はすぐついた。
火魔法なんか使えなくてもアイリスがいれば間違いない。
火を見ながら明日する事を考える。
森を出て、人がいるか確認したい。
俺はアイリスたちに周囲の警戒を頼んで、火の側で倒れるように眠った。
〜〜〜〜
(リン!起きて!モンちゃんが何か見つけた!)
アイリスの声で目を覚ます。
これは、意思疎通だな。
近くを探してもアイリスはいない。
寝過ごしてしまったようだ。
(何を見つけたんだ?)
サルGとかに案内させながらアイリスに聞く。
(んー、何かの入り口だと思う。)
アイリスとモンちゃんのいる場所についた。
地面に、深さ1メートル、縦横の幅2メートルほどの穴があり、その真ん中に真っ黒の扉らしきものが見える。
「モンちゃんが地下でみつけて、サル達と魔法で掘ったらでてきた。」
「なんだこれ、扉?なんで上向きに埋まってるんだ?」
目の前に扉があれば見逃すわけにはいかない。
漢として。
俺はサル達に支えてもらいながら、扉の上に足をつく。
その瞬間、扉が金色に光り輝いた。
「うぉ!?」
そして、自分の体から魔力がごっそり抜けていくのがわかる。
これはやってしまった、冷や汗が止まらない。
一瞬の出来事だったが、魔力が全部なくなるとどうなるのかとかめちゃくちゃ考え、死も覚悟した。
しかし幸い、魔力がなくなるギリギリのところで止まる。
その後、俺の視界は急に暗くなる。
そして。アイリス達の前から、リンは姿を消していた。
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