死後の世界、フロアー。
ここへ渡ってきた人々の、「死」を巡る清冽で優美なものがたり。

人間は、死したときになにを思い、なにに執着し、なにを悔いるのか。
一人一人のエピソードを、主人公・サクラを通して明かしていきます。

申し分ない文章力で、まるで神話を読んでいるかのようです。人の生死にかかわりながら、文体は軽やかであまり重たくは感じません。
また、各人の生きた時代背景やそれぞれに湧き上がる心の情熱を読み取れるのも魅力のひとつです。

みなさま、ぜひご一読ください。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（255文字）