【ノ】 新たな仲間
●【ノ】 新たな仲間
桃太郎が
クマのキグルミと
戦隊ヒーローの
アップル・レッドと共に
鬼ヶ島を目指して
旅を続けていると……
「みつけたぞ!
アップル・レッド!」
現れたのは
ホウレンソウの怪人
『グリーン男爵』でした。
「グリーン男爵!
こんなところまで
追ってくるとは……!」
「くっくっくっ。
どこまででも
追いかけてやるさ。
貴様の体内から
高純度の銀河系エネルギー
『コズミック・バースト』を
奪い取るまではな!
野郎ども!
アップル・レッドを捕まえろ!」
グリーン男爵の号令と共に
陰に隠れていた手下たちが
いっせいに現れました。
手下たちのコスチュームは
長ネギがベースです。
なので 手下たちは
『長ネギ団』と
呼ばれていました。
アップル・レッドと 長ネギ団の
激しい戦いが始まりました。
気が付くと
大勢の子どもたちが
集まっていて
「がんばれー!」
「あっぷる・れっど 負けるなー!」
と 応援しています。
桃太郎と クマのキグルミも
一緒になって 応援しました。
アップル・レッドの活躍により
長ネギ団は すべて倒されました
残すは グリーン男爵だけです。
「さすがは アップル・レッド。
見事な攻撃だ。
だが これがすべて
作戦のうちだったとは
気づかなかったようだな!」
「なにっ!?」
そのとき 倒されたはずの
長ネギ団が いっせいに起き上がり
アップル・レッドを
羽交い絞めにしました。
「はーっはっはっはっ!
油断したな アップル・レッド!」
すると 子どもたちが
「ひきょーだぞー!」
「だんしゃく かえれー!」
と いっせいに文句を言いました。
「黙れ 黙れ 黙れぇぇぇぇっ!
子どもたちよ!
もとはといえば
おまえたちが悪いんだからな!」
「ど どういうことだ?」
アップル・レッドが
羽交い絞めにされながら
聞きました。
「……ホウレンソウは
とっても栄養満点で
体に ものすごくいいんだ。
それなのに 子どもたちからは嫌われ
お残しばかりされてしまった……
こっちは みんなのためを想って
栄養満点になったっていうのに
あんまりじゃないか!
だから おれは
復讐をすると決めたんだ!
子どもたちはもちろん
ホウレンソウを大事にしなかった
この社会全体に
復讐してやるのだっ!」
「そ そうだったのか……」
そのときです。
子どもたちが 叫びました。
「ぼくは ホウレンソウ すきだもんっ!」
「あたしも ホウレンソウ たべてるもんっ!」
「いままでは にがてだったけど
これからは ちゃんとたべるからっ!」
その声に
グリーン男爵の怒りは
落ち着いていきました。
「み みんな……」
「グリーン男爵
今からでも 遅くない。
ぼくたちと一緒に
子どもたちの未来のために
戦わないか?」
「な なにを言ってるんだ?
おれは おまえたちに
復讐をしようとしているんだぞ!」
「それもこれも
子どもたちのことを
本気で想っているからこそ
なんじゃないのか?
その強く熱い想いがあるなら
ぼくたちと一緒に
真の悪を倒すために
戦えるはずだ。
サア 共に行こう!」
「アップル・レッド……
フフッ
おれの足を引っ張ったら
容赦しないからな!」
「ああ もちろんだ!」
アップル・レッドと
グリーン男爵は
固い握手を交わしました。
子どもたちが
いっせいに立ち上がって
拍手しました。
どこからともなく
エンディングテーマが流れてきて
マイクを持った お姉さんが現れました。
「はーい!
お友達のみんな!
今日の アップル・レッドショーは
どうだったかな?」
「たのしかったー!」
「またみたーい!」
「それじゃあ 次のショーも
ぜったい見に来てね!
ばいばーい!」
割れんばかりの拍手の中
アップル・レッドと
グリーン男爵と
長ネギ団たちは
観客に お辞儀をして
どこかへ はけていきました。
ショーが終わって
子どもたちも
散り散りに帰っていきます。
辺りが しぃんと静まり返りました。
その場には
桃太郎と クマのキグルミだけが
残されました。
なんだか もうすっかり
終わった気分になってしまって
勇んで 先へ進もうという
気持ちには なれませんでした。
「……じゃあ ぼくらも
そろそろ 帰りましょうか?」
「そうですね……」
桃太郎と クマのキグルミは
それぞれ 自分の家へと帰りました。
その後
桃太郎と クマのキグルミは
アップル・レッドショーで
再会しましたが
鬼退治のことは
どちらも なにも言いませんでした。
おわり
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