ほくほく


あのこ!


エリさん

かねますさん

ぶんちゃん

ほずみさん


でんわ、LINE、ショートメッセージ!

こうかんしたのーー!


あのこ、ほくほく!

たいいんしても、つながれる、

つながったままでいられる


きずなはかたく、そのまま。


あのこは


20:45


21:00になればせじょうされるから

そとにいられるのはあと15ふん


きょうゆうスペース。

テレビをみるかねますさんとぶんちゃんに

こえをかけるか、かけまいか

まよっていた。


テレビがみたいかな?

ぶんちゃんとのたいせつなさいごのじかん?

_____私が邪魔しちゃダメかな、


かんごしさんにそうだんした

こわそうなおばちゃん、


じじょうをせつめいすると


「私やったら、相手が今話せる時間がある

のかいつやったら話せるのか、

時間をとってもらえるのか聞くかな」



そしてあのこは


かねますさんのまえにいった


「今お時間ありますか?」


「ああ、全然ええで」


かねますさんはあのこをぶんちゃんとの

あいだにすわらせた。


「金桝さんとちゃんと話したくて!」


「何話そ?」


「何話しましょう!うーん」


あのこはうでをくんでかんがえた


えーと、



えーと、


かねますさんはいった


「僕の仕事の話しよか」


「!はい!」


かねますさんのおしごとは

ものをせいぞうするしごと。

たとえばスマホのようなしかくいもの、

それは“カタ”がないとつくれない

“カタ”をつくってものをつくる


それがおしごとらしい!


「すごいですね!金桝さんに似合ってます

かっこいいです!」


かねますさんはうれしそうにわらった



ふとあのこがこぼしたことば。


「_____私明日泣きじゃくってるかもしれません部屋で沢山泣きました」


「そうやったんか、」


そこにやってきたのがほずみさん。

あのことかねますさんのじかん!

とらないでーー


でもけっきょく


かねますさんとぶんちゃんとほずみさんと

れんらくさきをこうかんしてて

21:00タイムリミットがきた


でも“これから”があるタイムリミット


出会って数日されど数日





ときはもどって

20:00すぎ。


ほりさんがへやにはいってきて


あのこのようすをうかがった。


「ーーさん最近どう?」


「金桝さん、明日退院じゃないですか、」


「ええ、交流あったんですね」


ほりさんはおどろいた


「上野エリさん知ってます?」


「ああ、はい」


「エリさんがひっぱっていって紹介してくれたんです。一匹おおかみの私を」


「ですよねーーさん

一匹おおかみですもんね!」


_____一匹おおかみ


「大切な人ができたらその分いつか悲しまなければならない。大切な人が増える度、涙を流すことも増える。それを恐れて人に関わることを自らしませんでした。


本当は色んな人に挨拶をして

話しかけたいんですけどね」


「そうやったんや〜外ではどんな感じ?」


「友達は沢山います。知らない人に自分から話しかけにいけるので。話しかける能力はあるんですけどね。退院されていくのが怖くて」





あのこはくすりをのみにいくときに

ほりさんにいった


「金桝さんにお手紙、用意してるんです

喜んでもらえるかな」


「えー!素敵ですね!

そんなに交流があったんですね」


「いえ、出会って数日なんですけど

あとエリさんにも用意してるんです。」


「いいですね!」



あのこはやさしい、やさしすぎるにんげん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る