第6話交渉の檻、そして猫の瞳


## 第六話:交渉の檻、そして猫の瞳


正式登録を済ませて三日後。


レオンのもとに、ギルドから初任務の通達が届いた。


「奴隷密輸事件に関する交渉任務。あなたの情報提供がきっかけで動いた案件よ。責任を持って参加してもらうわ」


ミーナが言った。


「死なない?」


「貴方の腕が良ければね…」


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任務の内容は、“密輸業者と接触し、奴隷の解放を交渉する”というものだった。


通常、ギルドが直接介入することは少ない。しかし今回は証拠が明確で、しかもギルド関係者が被害者の中に含まれていた可能性があった。


「最悪、戦闘になる可能性もある。でもあなたは、交渉で解決できると言ったわね?」


「言いました。……嘘じゃありません」


相手は“ルナ商会”と繋がりのある裏取引組織。

交渉相手は、“ヘルド”という名の中年男。


ギルドからはミーナと護衛の二名、そしてレオンが現地へ向かった。


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密輸団の取引所は、街外れの廃墟風の屋敷だった。


応接室のような場所で待っていたヘルドは、金の指輪と脂ぎった笑みを浮かべた男だった。


「よぉ、ギルドの小娘に……これは何だ? 子供まで連れてきたか?」


レオンは笑顔で礼を述べた。


「“小さな交渉人”とでも呼んでください。今回は“人道的な判断”を求めに来ました」


ヘルドはあからさまに笑う。


「ほう、人道? 俺のところで働いてる連中は、どこぞのゴミ山で拾ったのを“救ってやった”んだがな」


「なら、あなたの“救い”を“恩赦”に変えてください。奴らは売買されるために生きてるんじゃない」


交渉が始まった。


レオンは、あらかじめ調べていたヘルドの“裏の顔”――過去の密輸記録、偽名での土地取引、隠し倉庫の位置などを巧みに突いていく。


「あなたの“合法な取引”がこれまで見逃されてきたのは、ギルドが黙認していたからだ。今後は違う。今回だけは目をつぶる、という“取引”が必要だ」


「……脅しか?」


「提案です。次回から“商品”ではなく、“労働契約”で人を扱ってください。形式だけでも“労働者”という形を取れば、ギルドは干渉しない」


ヘルドは睨みつけた。


だがその直後、彼の背後にいた奴隷の中にいた少女の視線に気づいた。


猫耳。金色の瞳。獣人族の少女。その他にも沢山の奴隷が見えた


「先に奴隷たちを解放してもらえませんか? ……傷が浅いうちに」


沈黙。


ヘルドは、にやりと笑って口を開いた。


「そいつらはちょっと気に入っててな。だが……まあ、いい。今回は“恩赦”だ。連れていけ」


猫耳の少女は、無言でミーナの後ろに立った、その他にも沢山の奴隷たちはギルドに保護された。


「案外あっさり解放してくれるんですね?」


「はっ!ギルドが来た時点でこっちには拒否権がない、お前さんそれを知っててわざとあの条件を出したろ?」


「さぁ、どうでしょうかね?」


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帰還後、ミーナは猫耳少女と手を握ってギルドの医務室に保護された。


レオンが「名前は?」と問われると、少女は怯えた様子でミーナの影にかくれた。


「あれ?いちおう僕が君を助けたんだけど…」


とレオンは泣きそうになりながら言った、その時のクスクスと笑い声が聞こえ、そちらを見るとミーナが笑っていた。


「あんたはこの子に好かれてないみたいね~、私が聞いて見るとわ、ねぇ君の名前は何?」


ミーナがそう聞くと少女はミーナに心を許しているのか少しモジモジしながら答えた


「……ナリア」


ナリアと名乗った少女の様子を見ると、まだ解放されたことにまだ現実感がないようだった


レオンがその様子を見てナリアに話しかけた


「そうかナリア、君はこれからどうしたい?」


ナリアは困った顔をして言った


「私は何がしたいのかよく分からない…」


そのように会話していると奥からミーナが来たて言った


「じゃあその子私たちギルドで預かるわ、子供を一人にして放置するのも危ないしね。」


と言いレオンが何か言う暇もなくミーナはナリアの手を引きギルドに入っていった



「あのモフモフの耳…触っておけばよかった…」




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**(第七話へ続く)**


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最後まで読んでくださりありがとうございますm(__)m

最近ソシャゲに課金しているせいでお金が…

さて今回はミーナです

①ミーナは交渉術や相手の嘘を見抜くのが得意ですレオンの天敵でもありますね~

②ミーナは格闘術などをかじってるためその辺の雑魚には負けません、はい…強いです。

③ミーナはクールでカッコいい!でも子供が好きらしいです、女の子とか…あれ?これ、ナリア大丈夫?

以上です!

それでは第七話でまたお会いしましょう~

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