第30話 僕の戦い方 (1)
マジですか・・・・先輩
ヨル先輩は本当に武器を何も持たない状態で僕とエルフの戦いを離れた所で観察している。僕と目が合うと早くやれと言う風に催促してきた。
僕は仕方なく手に持っている銃と剣を見下ろした。
どう戦えば良い?銃も剣も扱ったことなんて一度もない。でも、銃なら・・・・引き金を引くだけで簡単にダメージを与えることができる。技術もなにも必要ない。
ゆっくりと銃を持ち上げ、まっすぐエルフの心臓を狙った。たぶん初めての殺しで緊張しているからか手先が震えていた。でも殺らなければ殺られる。軽く力を込めて引き金を引いた。
バン!!
破裂音が響いたのと同時に撃ったときの衝撃が肩にダイレクトに伝わった。弾丸はまっすぐ飛びエルフの心臓を貫ぬきエルフが倒れる。そう思ったが、弾丸はエルフの身体をすり抜け、後ろに合った樹木に当たった。エルフは何事もないように歩みを進めた。ダメージを負った気配すらない。
さっきヨル先輩が撃ったときは確かにダメージが入っていたはずなのに!僕は焦り何度も引き金を引いた。
バン!バン!バン!バン!
何度やっても結果はエルフの身体をすり抜けるだけだった。しかし、今度はエルフが足を止めた。(ようやく効いたのか・・・?)
エルフの右上からまた青白いオーラが現れた。しかし今度はオーラの中から薄い線が出てきて僕の胸を指していた。
(もしかして、これは攻撃の軌道!?)
そう気づいたのと同時に大きく横に転がり込んだ。
キーーーーン!!!!ジュワ・・
その音と共に僕が先程いた場所では、地面が抉れて、雑草が焼けていた。どんな魔法か分からないが当たっていたら即死だった。顔をあげるとまたもやオーラが見えたので、僕は背を向けエルフと大きく距離を取った。
離れた場所でエルフを観察する。エルフはゆっくりと僕に向かって歩いてくる。血走った、獰猛な目を見ると今にも襲いかかってきそうなのにエルフは攻撃の素振りすら見せない。
そこで、僕はいくつかの仮説を立てた。あのエルフは走ることができないようできない。また遠距離系の攻撃手段を持っていない。
だけど、こっちも攻撃手段を持ち合わせていない。銃弾はまたすり抜けるだろうし、例え剣を振り回したところで近距離の魔法を使われて死ぬ未来がやすやすと予想できる。
どうすればあいつを倒せるのだろうか?
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