『イタズラが過ぎる!!※微R18注意』

10月31日、今日はハロウィンである。

柊白兎の肉体にレウス・エクウェスの魂を上書きし、ヒイラギ・ハクトが生まれた。

瀕死の状態の魂を上書きされ、病弱だったハクトはこういうイベントの日に限って体調を崩し寝込んでいた。

窓の外から聞こえる楽しげな声、最初は羨ましいと思っていたハクトだが、何年も経てば『どうせ自分は参加できないから』と諦め、ハロウィンを含むクリスマスや誕生日といったイベント事に興味を抱くことがなくなっていた。1度、雪乃がくれた誕生日プレゼント…出掛ける楽しみを忘れないでほしいからと黒いバックパックを選んでくれたのだが、興味ないからと受け取らず雪乃を泣かせてしまったことがある。年頃の反抗期だったこともあるが、今振り返っても愛する雪乃に何してんだクズ野郎!と叫びたくなるほどの黒歴史である。

異世界に転移して身体も治り、ようやくイベント事を楽しめるようになり、あの時の謝罪も含めて雪乃をデートに誘おうとしたのだが……


「…何でルナ先輩がいるんですか」


「だって、今日はハロウィンよ?断片的でも記憶の戻ったハクトと一緒に楽しもうと思って!しっかり仮装もしてきたんだから!」


「黒いコート羽織って身体に包帯巻いただけじゃねーか!!なんでそんな仮装してきたんだよ!直視できません!!」


そうなのだ。

どうせなら仮装して楽しもうと部屋へ戻ったらルナ先輩…もといルナがいた。

彼女の仮装は、身体に包帯を巻き、その上から黒いコートを羽織っただけである。

むっちりとした太股や触ったら柔らかそうな胸にに食い込む包帯が…!包帯が……!エッッ!!!

いっそ裸よりエッな格好のルナを直視する度胸もなく、顔を逸らして絶対に目を合わせないようにしている。

ゼラニムの能力【偽りの楽園】によって少しだけレウス・エクウェスの記憶を取り戻した“俺”は【騎士の国】で実の姉であるルナ・エクウェスと再会、ずっと否定していたレウスという存在を受け入れたハクトは、ずっと姉として接してくれていたルナと話し合った。その結果、“姉だけど他人、自分もハクトを想う1人の女の子になる”ということでハクトとルナの関係は落ちついた。

落ちついた…のだが……


「ぜ~んぜん襲ってくれないのよね~、私も無理して姉ムーブと先輩ムーブするのはやめたけど、素の私って魅力ない?この仮装も恥ずかしいけど頑張ったんだよ?」


襲って襲ってとルナからのアプローチが半端ないのである。

その勢いは下手したら、二人きりのときのリアよりも凄まじいかもしれない…。


「えいっ♪」


「ファッッ?!」


押しつけられた。

具体的に言えば、包帯をほどいた胸を、秘部を、身体に、からだっダダダダダダ―


(落・ち・着・けッッ!!!まず、まずは俺の制服をルナに着せよう、今俺と肉体関係を持っているのはリアとミコと雪乃…他のみんな?ごめんなさいヘタレなんです慣れないハーレムバンザイ!って素直に喜べないんですっ!僕のばかぁ!!あ、お胸柔らかい…ってチガウッッ!)


ハクト、大パニック。

ティールたちを焦らし、待たせているのは申し訳ないが…慣れないものは慣れない。

病院生活で関わる女性は、女医さんと雪乃、雪乃の友人の天崎楓さんのみ、異世界へ転移してから極端に自分がモテていることを未だに受け入れられずにいるのである。


―バリバリ


「…ルナさん?」


なんか、ルナのお手々がバリバリいってる?

まさか…上級雷魔法―


―バリッ!


ハクトの意識はここで途絶えた。

その後、ルナに美味しく頂かれたかどうかは、想像に任せるとする。



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