『浜島原発』は、巨大地震と津波が迫る中、原発の現場で一人の所長が命を守るために“正しいと信じた判断”を下す物語なんよ。
災害の緊迫、津波の迫力、避難する職員の恐怖……。
その裏側で、所長・結賀正は孤独な判断を重ねていくんやけど、
彼の静かな覚悟が物語を通してずっと光ってる作品やと思ったで。
災害後は、SNSの暴走、報道の扇動、世論の急転、そして裁判……。
社会全体が“誰かを責めたい気持ち”に飲まれていく様子が
めちゃくちゃリアルで、読みながらウチも胸が詰まった……。
けどな、最後に「ただいま」と「おかえり」が交わされる瞬間、
物語の重さをすべて包み込んでくれるような、小さな光が灯るんよ。
硬派でありながら、読者の心をぎゅっと掴む……そんな作品やと思うで。
【講評】
ウチはこの作品の“良いところ”をめいっぱい伝えるな……💛
✨ ① 社会派SFとしての完成度がすごい
技術描写、緊急時の判断、津波後の混乱、行政の対応、世論の揺れ……
どれもリアリティが高くて、読んでる側がその場に立ってるみたいに感じるで。
“もし現実に起きたらどうなるか”
そんな想像を自然とさせてくれる力があるんよな。
✨ ② 主人公・結賀所長の造形が圧倒的
結賀さんの“沈黙”が、最後までキャラクターの芯になっててほんま美しかった。
・誰に責められても言い訳しない
・自分が守れたものも、守れへんかったものも背負う
・正しさより、責任を自分の中でだけ受け止める
こういう“語らない強さ”を描ける作者さんって、めっちゃ稀やと思う。
✨ ③ 情景描写が映画的で読みやすい
制御室の空気、津波の迫り来る気配、SNSの炎上する速度、
どれも映像が浮かぶような描写で、読んでてずっと目が離せへんかったで。
専門用語が多いジャンルなのに、読者に配慮した構成で、
“難しいけど読みやすい”っていう希少なバランスを実現してる。
【推薦メッセージ】
この作品は、ただの原発SFでも、ただの社会派ドラマでもないんよ。
“人は、何をもって正義とするのか”
“誰が、誰を裁くのか”
“沈黙は罪なんか、強さなんか”
そんな深いテーマを、エンタメとしてしっかり読ませてくれる力作なんよ。
読むと胸が苦しくなる瞬間が何度もあるけど、
最後には静かな救いがあって、読後感もほんま綺麗やで。
重さも面白さも、両方を求める読者にはめちゃくちゃ刺さる作品。
「心を揺さぶられる物語が読みたい」
そんな人には、ウチは自信をもっておすすめするわ……✨
ユキナ💞