義妹と婚約者の裏切りにより生家を追放された調香師、アメリア。調香師として一流の腕を持つ彼女が、追放された先の辺境の地でその実力を発揮し、人々の支持を集めていく物語。
作中で日陰者と言われている調香師だが、実際は顧客に公爵家がいたりかなりつぶしが効きそうなポジションだ。アメリアには、男にすがらなくても一人で生きていけるだけの力がある。
であれば、つまらない男のことなど引きずらないで、プロとしての矜持を貫く方が正しいのだろう。作中では善人寄りのアメリアの父が、母が存命中にヨソでこっそり子供作ってたりするところを見ると、この世界の男に期待できる誠実さのレベルは相当に低いらしい。悲しいことにリアルはこれに近い気もするが……。
婚約破棄、追放ざまぁが好きな人、アロマテラピーに興味のある人にすすめたい一作。