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ホテルに到着した四人は荷物を整理すると、早速、ホテルの中庭へと向かった。

予約するときに中庭の花が綺麗だという口コミを見たのだ。


「確かに綺麗だね!」

ゆるふわ髪の女性が嬉しそうに飛び跳ねた。

「ちょっと!歳考えなさいよ!」

「そういうあんたもさっきからそわそわしてるじゃない」

ミディアムヘアの女性がロングヘアの女性にそう言えば、自然と笑いが起きる。

話題などなくても良いのだ。

同じ時間を共有さえしていれば、四人はそれだけで楽しく過ごせる。

長年の付き合いのせいか笑いのつぼまで似てしまった。


中庭を楽しみ、四人は部屋へと戻った。

少しはしゃぎすぎたせいか、既に程よい疲れが四人を満たしていた。

心地の良い疲れ。

一体、いつぶりだろう。

ショートヘアの女性はふと思う。

ここ最近、彼女が本当に笑ったのはいつだっただろうと。

思い出す記憶は甘くつらく苦しく逃げられないものばかりだ。

すっと目の前が暗くなった気がした。

いや、確実に暗くなっている。

「だーっれだ!」

ショートヘアの女性の背後でロングヘアの女性の声が聞こえた。

「うーん、そうだなぁ」

悩むふりをして、ショートヘアの女性はゆるふわ髪の女性の名前を告げた。

「正解!」

無邪気に笑う三人。

昔からそうだ。

誰かが悩み、困り、立ち止まろうとしたとき、必ず三人が助けてくれる。

「ねぇ!晩ご飯まで時間があるし、久々にゲームしない?」


トランプに花札にオセロ、いろいろ持ってきたんだよ。


「いいねぇ!神経衰弱しよう!」

「この歳で記憶力系って・・・」

「あんたはさっきから歳歳うるさいって!」

笑い声が部屋に響く。

四人は食堂が開く時間になるまでトランプとにらめっこをしていた。

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