4-1
―それは久々に集まった同級生四人のお話でございます―
「久しぶり―!」
元気な声で駅の改札をくぐり、既に集まっている三人に挨拶をするとショートカットヘアの女性は笑顔で駆け寄った。
「本当に久しぶり!元気にしてた?」
ロングヘアの女性がそう尋ねれば、ショートヘアの女性はもちろんよと答えた。
「集まるのいつぶり?」
ゆるふわ髪の女性がうきうきした様子で隣に立っているミディアムヘアの女性に話しかけた。
「あんたの結婚式以来だから五年ぶりくらいじゃない?」
そう笑い、四人は宿泊予定のホテルへ向かう為、歩き出した。
四人は中学時代の同級生であり、仲がよく高校、大学、就職先と全てが違う場所だったというのに月に最低三回は集まり、話していた。
しかし、ロングヘアの女性が結婚し、続いてミディアムヘアの女性、五年前にはゆるふわ髪の女性が結婚してからは集まる機会がなかなか出来ず、久々の女子会だと思い切って五日間の旅行を決めたのだった。
「でも、よく旦那さん達許してくれたね?」
ホテルに向かいながら、ショートヘアの女性がそう言えば当たり前だと三人は口を揃えた。
「普段は働きながら家事もしてるんだから、これぐらい許して欲しいわ」
「そうよ!向こうは飲み会だのなんだので家のことなんもしないんだから」
「本当、あんたも結婚するならちゃんと家のこと手伝ってくれる人にしないと駄目よ」
普段の生活の不満があるのだろう。
早くも文句を良い足りないと言いたげな三人を見て、ショートヘアの女性は苦笑した。
今日はお酒を飲んで大いに話しを聞いてあげよう。
ショートヘアの女性はそう思った。
本当は相談したいことがあった。
しかし、ショートヘアの女性は昔からお人好しだと三人に言われており、いつも心配をかけさせてしまっていた。
少々、過保護だなと思ったこともある。
その三人に相談するのは迷惑かもしれないとショートヘアの女性は考えた。
(旅行中は聞き役に徹しよう)
楽しげに懐かしさと昔のままのテンションで、四人は登下校中のように歩いていた。
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