第5話   聞き流す!

「今日は来ませんね?」

「何の事言ってんだ?」

「何時ものお姉さん!」

「手を動かせ!、お客様待たせるんじゃない!」

 俺の前も奴の前も御客様が並んでる。


 今日は土曜の夜、一番忙しい時間と曜日、明日休みの御客様が多いから御一人毎で購入される商品数も多くなる、打ち込み数も増えるから時間が係る、そうレジに並ばれる…。


 土曜の夜だけは二名体制、客数毎の単価も上がる、そしてスポットで御客様が来店されない時間が存在し完全に一人だけに為って仕舞う…。


 過去二回は土曜の深夜、何時もよりレジに現金が入って居る、だからそんな時を狙われた。


 安全対策と予防の為に土曜日の夜だけは二名体制、横に居るのはチョット惚けた新人さん、まだ高校生で学校帰りに出勤してる。


 此処の就業時間は23時から08時迄、アレ?と思われた?、高校生で深夜?、学校帰りで23時?、然も朝8時迄?、学校は間に合うの?、抑々高校生が深夜仕事は駄目だろう!。


 皆様が申されたい事は解りますでも駄目じゃ無いんですね此れ、この横に居る惚けた新人さん間違い無く高校生ですよ、夜学と言う言葉が付きますが…、授業は22時迄だから其の後此処にバイトに来る、元々勤労学生さんが通う学校だから就業に対して規制は無いし、18歳以上だから深夜勤務にもお店側に規制は掛からないと言う訳です。


「先輩今日は来ませんでしたね?」

 最後の御客様を送り出しホッとできる時間、此の後一時間程は先ず御客様はいらっしゃらない、偶に車で通りがかった御客様位、駅側から来ると此の先6キロ位はコンビニが無い幹線道路なんだが逆側から来るとやっと出てきたコンビニ、深夜帯は丁度此の時間だけ車の通りも疎になる。


「何の事だ?」

「またまた惚けて」

「何時も来るお客さん殆どいらっしゃっただろ?」

「忘れてませんか?」

「何言ってんだ?」

「忘れてますよ、お姉さん!」

「あゝ、そう言えばいなかったな?」

「如何したんでしょうね?」

「バ~カ!、土曜の夜だぞ彼氏の処に往ってるに決まってんだろ?」

「馬鹿言わないで下さい!、あんな清楚な人がそんな事!」

「バカはお前だ!」

「嫌在り得ません!」

「しつこい!」

 何か横で言って居るが聞き流していた、毎日疲れた顔がやっと笑えて居たんだ、御客様から向けられる「有難う」の一言も仕事続ける原動力の一つ、良かったですねやっと笑えて…。


未だ未だ続きます!

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