第11話 商業都市オルトン
翌日
俺は宿にあった食堂で朝食を済ませると、近くにあった街の図書館らしきところに向かった。
昨日は宿の一角にあった観光客向けの場所で簡単な情報のみ手に入ったが、あそこでは不十分だ。
というか観光名所を紹介するのが主目的みたいで、近くの美味しそうな店がいっぱい書いてあった。今度行ってみよう。
宿から10分ほど歩いたところで一際大きい建物についた。どうやらここが図書館のようだ。
「綺麗だな。うちの図書館も見習おうかな」
そう呟くと俺は図書館に入っていった。
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気づくと昼近くまで調べていたみたいで、外から美味しそうな匂いが漂ってきた。
これまで調べてわかったことをまとめると、
・勇者召喚に関しては、まだ一般には公表されていないらしい。(どこを探しても情報が見つからなかった。もしかしたら情報が遅いだけかもしれない)
・邪賢者ラークの討伐は国を挙げて行なっており、国民の大多数もそれに賛同している。(王や重鎮だけの話ではなかったのは意外だった。)
・最近、王国の南側に位置するカラサ国との戦争で目まぐるしい活躍をしている謎の部隊がいる。これまで膠着状態だったのが一気に王国有利になったらしい。(おそらく一部のクラスメイトたちが配属された第1魔法師師団だと思う)
あと勇者たちとは関係ないが、この街には「オルトンの守護者」と呼ばれる龍がいるらしい。
龍は基本的に人とは敵対している存在なので街の守護者と呼ばれている理由はよくわからない。
・・・こんなところだろうか。
流石にクラスメイトたちの詳しい情報は街の図書館には無かったが、次の目的地は決まった。
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= side 結衣 =
この世界に来て1ヶ月が経った。
クラスのみんなは実践が必要だとか言われて、それぞれ色々なところに配属されたけど私と中村くんだけは配属されなかった。
ここに来た直後に言われたクラス2っていうのと関係しているのだろうけど、何も説明されていないからわからない。
そんな時に私達は王様に呼び出された。
「よく来てくれたな」
「はい」
「2人にはこれからやってもらいたいことがあってな。まず、ユイ殿には北にある商業都市オルトンに行ってもらう。そこにいる軍の部隊に訓練をつけてもらえ」
「かしこまりました」
頭を下げて返事をする。本当はこの人に頭なんか下げたくない。でも下げないと殺されるかもしれない。
「ケント殿は勇者のお披露目を行うためのパレードに参加してもらう」
まだ国民に発表していなかったのだろうか。もう1ヶ月も経つのに。
それから色々な調整を行って、パレードは1週間後に決まり、私のオルトン行きは3日後になった。
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