第10話 王国侵入
朝食を食べた後、俺はすぐに宿舎を出て王国に侵入する予定地に移動した。この予定地は両国を隔てる大陸でも屈指の長さを誇る大河である。
なぜこんな川を選んだのか。それは他の陸上で接している部分にはかなりの人数の見張りが立っており、【
その点、この川は流れの速さと川幅の広さのおかげで船でわたるのは不可能に近い。そのため対空用の魔導砲とわずかな監視がおかれているのみであり、【
「そろそろ行くか。まずは侵入用に用意した服に着替えてと」
本当は宿舎で着替えておきたかったのだが、俺の顔は帝国でも
「用意できたし、行きますか。【
俺は魔法を発動して対岸のラスベラ王国に転移した。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
30分後。
俺は転移した場所からさらに【
探知した限り周辺には人の気配がなく、野生動物や魔物が多くいるだけのようなため、ひとまずは安心だ。
魔物が近くにいないことを確認して少し横になる。
「闇魔法使うと一気に力持ってかれるんだよなあ」
実は【
城からインスに行くまで魔導馬車を使用したのも、この欠点があるためだ。
ちなみに消費した体力を回復する魔法というものも存在するのだが、闇魔法が消費するのは単純な体力ではなく、魂を削るようなものなので回復はできない。(涼介はこの力を魂力と呼んでいる)
寝たり食べたりすれば回復するので使い切らない限り死には至らない。そもそも『魂保護』の固有スキルの副作用で使い切ることはないのだが。
「さて行こうか」
そう言うと俺は近くの街まで歩き出した。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
歩き出してどれぐらい経過しただろうか。
ようやく街が見えてくる場所に到着した。
「国境から街って遠いんだな。100kmはあったぞ」
文句を言いながら街に向かって進む。
ここで馬鹿正直に門番に身分証を見せるとバレるかもしれないので、【
この街が王国のどのあたりにあるのかわからないので地図を見る。
どうやらこの街は商業都市のようで、軍事的なものはそこまで見当たらなかった。さらに、自治都市で王都からかなりの距離があるため、情報も入って来にくいらしい。
逆に考えればここの情報も王都に流れにくいはずなので拠点にしてもバレにくいだろう。
偵察の拠点に決めた俺は、今日の宿を取りに行った。
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