第14話 名もなき平原のスープ
その朝、サラはいつも通りに厨房に立っていた。
香草を刻み、スープに火を入れ、パンの発酵具合を確かめる。
トルクのためのパンは、いつもよりひと回り大きめに丸める。それがすっかり“日課”になっていた。
「今日は、レンズ豆とじゃがいも。きっと喜んでくれるはず」
そう呟きながら、トールリーフの香草をほんの少しだけ加えた。
けれど——その日、彼は現れなかった。
「今日はギルドの任務が長引いたのかもですね」
レナがそう言って、笑った。
サラも笑った。少しだけ。
明日には来る。そんな気がした。
だが、翌日も来なかった。
その次の日も。三日目も。
「……あの、大丈夫ですか?」
レナが心配そうに尋ねたとき、サラは手を止めて首を横に振った。
「ちょっと……ギルドに行ってみる」
ギルド本部。昼を少し過ぎた時間。
サラは、久しぶりに重い扉を押し開けた。
受付の女が驚いたように目を見開いた。
「アラベスクのサラさん、ですよね」
「……トルクさん、どうしたのか知っていますか?」
その声が、自分でも驚くほど震えていた。
受付は口を開きかけて——ためらい、それから言った。
「……彼、ギルドを抜けました。パーティーも解散です。正式に“帰郷”の届けが出ています」
「……帰郷?」
「はい。北西の……サラン平原のあたりに、小さな村があると……」
「どうして、急に?」
「……それは、誰にも話さなかったんです。仲間にも、詳細は言わずに。みんな、ぽかんとしてました」
サラは、ギルドの壁に張られた依頼票を見つめながら、立ち尽くした。
“帰る”。その一言が、こんなに重く、遠いなんて。
彼の好きなスープの温度。
パンにかけるバターの塩加減。
一緒に食べた干し肉とじゃがいもの煮込みの味。
それらは全部、彼の“今”を知る手がかりだった。
けれど——
“どこで生まれたのか”“誰に育てられたのか”“どう過ごしてきたのか”
——サラは、何ひとつ、知らなかった。
その夜、アラベスクの厨房で、火は静かに揺れていた。
サラは、彼のために用意したまかないを前にして、スプーンを置いた。
「食べてくれる人がいないのに、料理を作ってる……」
声は小さかった。
涙は、まだこぼれなかった。
でも、何かがゆっくりと、サラの中から剥がれ落ちていくようだった。
まかないの椅子は、そのまま、空いたままだった。
翌朝、アラベスクの厨房には、いつもと変わらぬ火が灯っていた。
けれど、そこに立つサラの手元は、ほんのわずかに緩慢だった。
パンの生地を捏ねる手に、昨日までの“誰かの好みに合わせるため”のリズムがなかった。
鍋に香草を落とすタイミングも、ほんの少し遅れた。
レナは何も言わず、ただ食器を磨いていた。
昼時。
常連たちは変わらず訪れ、サラのスープを笑顔ですくった。
だが、トルクのいつもの席は空いたままだった。
誰もそのことには触れなかった。
——けれど、サラには、その“沈黙”が一番こたえた。
「……おかわり、どうぞ」
笑顔でそう言った自分の声が、ひどく空々しく聞こえた。
その夜、サラは帳面に今日の献立を書きながら、ふと手を止めた。
今日のまかない:
・干し肉とじゃがいものスープ(トールリーフ抜き)
そこに、彼の名前を書く必要はなかった。
でも、だからこそ、ページの白さが痛かった。
サラはそっと帳面を閉じ、椅子に腰を下ろした。
厨房の隅には、乾燥香草の瓶が並んでいる。
彼がくれたトールリーフも、あのままだ。
「……使わないまま、時間だけが過ぎていく」
五日目の夜。
ミーナが厨房にやってきた。
「サラ、今日は早めに上がって休みな。……身体は正直だよ」
「……大丈夫です。ちゃんと火も回ってるし……パンも焼けてます」
「火はね、“燃えてるだけ”じゃ意味がない。誰かにあたためてもらうために、灯してるんだろ?」
サラはその言葉に、答えられなかった。
ミーナは静かに、彼女の肩に手を置いた。
「トルクのこと、探しに行かないのかい?」
「……どこに行けばいいのか、わからないんです」
「そりゃそうだ。あんた、あの人の“今”しか見てなかったからね」
その言葉は、刺すようでもあり、あたたかくもあった。
サラは、気づいてしまった。
——私は、あの人の“声”を聞いていなかった。
——好きな味は知ってた。でも、生きてきた道は知らなかった。
その夜、サラは厨房の隅にあるスツールに腰かけた。
まかないの鍋は空。
パンは余った。
でも、火はまだ揺れていた。
「……トルクさん。わたし、あなたがいなくなって、はじめて“何も知らなかった”ことに気づきました」
その声は、火の音にまぎれて、誰にも届かないままだった。
けれど、その場に確かにあった“まかないの椅子”には、静かに彼の温度が残っていた。
朝が来ても、サラの身体は重かった。
目覚ましの鐘の音より先に目が覚めたのに、布団をはねのけることができなかった。
それでも——厨房の火は待っている。
サラは立ち上がり、エプロンを結び直してアラベスクの扉を開けた。
その日のスープは、香りを抑えた淡い塩味。
「やわらかい味……ですね」
レナがそう言って、そっとサラの顔をのぞき込む。
「……自分で気づかないうちに、そうなってたのかもしれない」
「火は、嘘つかないですもんね」
サラはかすかに微笑んだが、すぐに目を伏せた。
その日の昼、パーティー仲間のひとり——細身の弓使い・シェリルがふらりと現れた。
「久しぶり。……あの人、こっちには戻ってこないと思う」
スープを口にしながら、ぽつりと漏らした言葉だった。
サラの指がわずかに止まる。
「……どうして?」
「トルクは、ああ見えて“すごく根っこの深い人間”だから。一度、“決めたら戻らない”の。そうやって、今まで何度も全部投げ打って、生きてきた人」
「……そんなの、知らなかった」
「サラ。彼、あなたのこと……一度も名前を出したことないけど、毎日あなたの味の話ばっかりしてたよ」
サラは、ぐっと胸の奥が締めつけられるのを感じた。
「でも、それだけで……その人の“生き方”がわかるわけじゃないんですよね」
シェリルはうなずいた。
「うん。でも、だからこそ“知らなかったこと”を悔やんでいいと思う。だって、あなたは火の前にいた。ずっと、彼の“今”を支えてたんだもん」
夜、サラは帳面を開き、“まかない記録”のページにペンを走らせた。
・干し肉とじゃがいものスープ
・トールリーフ入りパン
・手作りのピクルス
その右側に、ふとした思いつきで、こう書いた。
彼が好きだった味、わたしが知らなかったこと。
・帰る場所
・家族の記憶
・なぜアラベスクに通ってくれたのか
残されたのは、火。——それでも、私は火を絶やさない。
帳面を閉じたとき、サラはようやく、ほんの一滴だけ涙をこぼした。
静かに、音もなく。
その涙が落ちた場所は、スプーンの影が差す、空いたまかないの椅子のそばだった。
サラはあの日から、何度も火の前に立った。
まかないを作る手は止まらない。けれど、“誰のために”という芯が抜け落ちたままの料理は、どこか味が決まらないままだった。
レナはそれに気づきながらも、何も言わなかった。
「……今日も、香草は使わないんですか?」
「ええ。……まだ、瓶の蓋を開ける気になれなくて」
「……サラさん」
その声に応えず、サラはただ黙々と野菜を刻み続けた。
ある日の午後。
ミーナが古い料理帳を持って、厨房に現れた。
「これね、私が若い頃、まかないを任されたときに書き溜めたものなんだ」
サラは驚いたように目を上げた。
「え……見せていいんですか?」
「いいのよ。火を守る者には、火を継ぐ知恵も必要だからね」
ページをめくると、そこには粗削りな文字で、誰かの好きだった料理、体調に合わせて調整した味付け、失敗の記録まで、すべてが記されていた。
「……私もね、ひとりで火を守ってた時期があった。でも、火って不思議なものでね。誰かのために灯していたつもりが、いつの間にか自分の明かりにもなってた」
「……私の火は、まだ燃えてるんでしょうか」
「ええ。消えてないよ。少なくとも、私には見える」
その夜。
サラは久しぶりに、トルクがくれたトールリーフの瓶を取り出した。
封を開けると、乾いた葉の香りがふわりと立ち昇った。
その匂いだけで、胸が締めつけられそうになった。
けれど、サラはそっと香草をつまみ、スープの鍋に落とした。
湯気が立ち、少しずつ部屋の空気が変わっていく。
火の音が、鍋の中で“誰か”を待っていた。
「……いなくても、わたしは作る。あなたがいない世界でも、火は灯る」
そう呟いた声は、鍋の蓋の下で、優しく響いていた。
サラは再び、火の前に立ち続けていた。
トルクがいた頃と同じように、鍋に湯を沸かし、香草を刻み、パンの生地を寝かせる。
けれど違ったのは——誰かのために作ることが“祈り”に近いものになっていたことだった。
「今日も、スープはやさしめ。パンは、焼きすぎないように」
レナが頷きながら調理台の端でサラを見つめた。
「サラさん、なんていうか……強くなった気がします」
「強くなったのかな……それとも、受け入れるのがうまくなっただけかもしれない」
「でも、その“受け入れた味”が、お客さんにもちゃんと伝わってると思います」
サラは微笑んだ。
「……ありがとう。火を絶やさずにいられたのは、レナたちのおかげよ」
その日の夕方、アラベスクに久しぶりの顔が現れた。
パーティー仲間のひとり、斧使いのローグだった。
「やあ、サラ嬢。……トルクのこと、聞いたってな」
「はい。……でも、もう大丈夫です」
ローグは店内を見渡しながら、ぽつりと呟いた。
「俺たち、あいつのこと“ひとりで生きるのがうまい人間”だと思ってた。でも、今ならわかる。あいつ、“ひとりでいないと壊れる”奴だったんだって」
サラは鍋を見ながら、小さく頷いた。
「……それでも、わたしは“ふたりでいられる味”を作りたかった」
「その味、あいつに届くといいな」
「ええ。きっと、届く日が来ます」
その夜、閉店後のアラベスク。
サラは帳面を開き、“まかない記録”とは別のページを綴った。
今日の料理:
・きのこと豆のスープ
・ハーブ入りライ麦パン
・あたため直した干し肉の煮込み
これは、彼がいない日の“わたしの献立”。
火は灯し続ける。でも、それは思い出のためじゃない。
今日を、生きるために。
書き終えたサラは、鍋に残ったスープを小鉢に移し、湯気を見つめた。
「……あの椅子が空いたままでも、わたしは料理を続ける」
「そのうち、また誰かが座るかもしれない。もしかしたら、帰ってくるかもしれない」
「でも、それまで——」
火を見つめる瞳に、迷いはなかった。
「わたしは、火の番をしてるから」
アラベスクの朝は、今日も静かに始まった。
けれどサラの目覚めは、ほんの少しだけ違っていた。
夜明け前にふと目が覚めてしまい、そのまま布団の中でじっと天井を見つめていた。
(わたし、どれだけこの人のことを“想っていた”んだろう)
問いは自分の中に沈んでいくばかりだった。
その日、サラはひとつのことを決めていた。
——ギルドの資料室へ行ってみよう。
トルクの故郷、“サラン平原”のことを知るために。
彼の声では聞けなかった過去のことを、自分の足で少しでもたどってみようと思った。
「レナ、今日の午後、少しだけ店を任せてもいい?」
「もちろんです。サラさんの“火の番”は、わたしがしっかり守りますから」
ギルドの資料室。
木棚にずらりと並ぶ古い文献のなかに、サラン平原の記録を見つけるのはそう難しくなかった。
そこには、20年前に軍事クーデターがあり、王族が追放されたとあった。
サラはその一文を、何度も何度も読み返した。
彼が自分の過去を語らなかった理由が、ほんの少しだけわかった気がした。
——それは、“語れるような過去”がなかったから。
けれど、それでも彼は毎日アラベスクに来て、スープを飲み、皿を拭き、パンを褒めてくれた。
(今を、わたしの火のそばで、生きてくれていたんだ)
その夜、サラは厨房で新しいレシピを起こしていた。
『名もなき平原のスープ』
干し野菜と麦、香草はほんの少し。塩気は弱く、温度だけを大切にした。
これは、彼の“語られなかった日々”にささやかに灯を点す料理。
彼がひとりだった時間に、誰も出さなかったまかないを——いま、遅れて差し出すために。
サラは、スープを火にかけながら小さく呟いた。
「あなたが“名前のない過去”を生きてきたとしても……わたしは、あなたの“名前のある火”を守る」
厨房には、湯気が立っていた。
それはまるで、彼のいないまかないの席にだけ、静かに立ちのぼる煙のようだった。
サラが作った『名もなき平原のスープ』は、翌日のアラベスクの昼まかないとして静かに提供された。
メニュー名はあえて掲げず、ただ“本日のやさしいスープ”と書かれた札がカウンターに置かれた。
それを手に取ったのは、偶然立ち寄った旅人だった。
「……この味、なんか懐かしい。名は知らないけど、昔、誰かが作ってくれたような……」
その声に、サラは鍋の前で少しだけ目を伏せた。
(そう——“名前がない”からこそ、“誰にでも届く味”になる)
その夜、サラは帳面に記した。
・名もなき平原のスープ
評価:静かに沁みる。誰の過去にもそっと寄り添える味。
火の記憶は、誰かの中で続いていく。
彼女の心の中では、かつてのまかないとは違う、“残された人間の火”が確かに灯っていた。
レナが小皿を片付けながら言った。
「サラさん、そのスープ、すごかったです。お客さんがみんな、静かに食べてました」
「言葉にしなくても、届く味って、あるのかもしれないね」
「……きっと、トルクさんにも、届いてると思います」
数日後、サラ宛に一本の手紙が届いた。
送り主の名はなかった。
けれど、便箋に滲んだ泥と、封に使われた“サラン平原の植物”の押し葉が、彼女にはすべてを語っていた。
中には、たった一行だけ。
『あの味、忘れずにいる。火のそばにいた日々も。——T』
サラは手紙を読み、しばらく何も言えなかった。
けれどその後、まっすぐに火の前に立ち、鍋の蓋を開けた。
トールリーフの香草を刻み、スープに落とす。
「……わたしも、忘れない。あなたが、ここにいた時間も」
湯気が立ち昇る。
その香りは、かつての日々を思い出させながらも、確かに“今を生きる”ためのものになっていた。
手紙が届いた日を境に、サラの中で何かが変わった。
それは劇的なことではなかった。
むしろ、ゆっくりと火をくべなおすような、静かな再点火だった。
厨房の鍋に向かう時間が、再び“誰かのため”ではなく、“自分が立ち続けるため”のものに戻っていた。
「レナ、今日は酸味を少し強めにしてみようか」
「はい。……サラさん、最近のスープ、芯があるっていうか……言葉じゃないけど、伝わる感じがするんです」
サラは少し笑って、火の前に向き直った。
「味って、やっぱり気持ちなんだね。伝えられなかった言葉を、スプーン一杯に込めるような……」
ある日、常連の老兵が言った。
「この間のスープ、なんか若い頃のこと思い出してな。涙出るかと思ったよ」
「それは……すごく、光栄です」
「“忘れてたけど、大事だったもの”を思い出せる味だった。……名前もいらねぇ、でも胸に残る味だ」
その言葉を聞いて、サラはゆっくりと、深く頷いた。
——名前ではなく、残る味。
それは、まさに自分がトルクと過ごした日々に抱いていたものと同じだった。
夜、帳面を開いたサラは、新しい項目を設けた。
『まかないの、その先』
・今日を灯すスープ
・記憶に寄り添うパン
・戻らない人へ贈る香り
誰かのためではなく、“生きること”のための料理。
サラは、静かにペンを置いた。
火はまだ揺れていた。
けれど、もう“椅子の不在”に怯えることはなかった。
その椅子は空いたままでいい。いつか誰かがまた座るまで、空白のままであっても。
「火を守るって、こういうことだったんだね」
そう独りごちた声は、今度こそ、誰かを呼ぶものではなく、自分自身に返ってくるものだった。
アラベスクの朝は、今日も変わらずに始まった。
パンの発酵の香り、香草を刻む音、スープの鍋が静かに立てる気泡。
厨房にはサラの姿があり、その背には少しだけ強さが戻っていた。
「レナ、今日のパン、焦げ目を少しつけようか」
「はい。……でも、その焦げ目、なんだか“いい苦味”になりそうですね」
「うん。苦味も、大事な味だから」
それは、喪失を知ったからこそ語れる味だった。
昼過ぎ、店には小さな旅人の兄妹が現れた。
兄は無口で、妹は人見知りで、言葉少なにスープとパンを口にしていた。
サラはそっと、ひと匙分だけスープに香草を足した。
その香りに、妹が顔を上げた。
「……この匂い、好き」
「よかった。わたしも、大事にしてる香りなんです」
彼女の目が柔らかくなり、初めて小さく笑った。
“誰かに灯った火”が、また別の誰かをあたためていた。
その夜、サラは厨房の灯りを落とし、最後に火だけを残した。
棚の一番奥にある瓶——トールリーフの香草。
蓋を開けず、ただそこにあることを確かめるだけで十分だった。
「……帰ってくるかもしれない」
そう思う日もある。
「……もう二度と会えないのかもしれない」
そう思う日もある。
でも、どちらでもいい。サラは思った。
彼と過ごした日々は、もう“悲しみ”ではなく、“記憶と火”として、自分の中で燃え続けているから。
サラは帳面の最後のページに、こう記した。
『まかないは、誰かのための料理だった。
いま、私はそれを“自分の命を灯す火”に変えた。
空いた椅子は、そのままでいい。
私が火の番をしている限り、また誰かが座る日が来る。
それが、アラベスクのまかない。』
夜風が厨房を通り抜ける。
棚の上のスプーンがわずかに揺れ、乾いた葉がかすかに音を立てた。
まかないの椅子は、今日も空いていた。
けれど、それは“誰もいない椅子”ではなかった。
灯るために、空けてある——そんな椅子だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます