命令の序列
軍政司令部に案内され、開口一番アサヒさんが、
「暗闇の星と聞いていたけど、真っ暗じゃないのね?」
「当惑星は主星の赤色矮星と潮汐ロックとなっており、居住可能エリアは明暗境界線の夜側に近いエリアにあります」
「ここの人種はもともとはこの惑星の人種ではないと思われますが、虫どもが人種改良して、元の惑星環境に近いこの地に住まわせたと推測されます」
「繁殖装置を中心に繁殖牧場が散在しており、住民は兵舎のような建物に住んでいます」
「繁殖装置は多産を誘発し、三つ子が生まれます、そして必ず二人が死産となるようになっています」
柔らかいお肉も必要……まったく、虫どもめ!……
「まったく虫どもは……いまはネットワークのものに変えてますよね」
「はい、ネットワークの物に変えております」
虫どもの装置は卵子分裂ですからね……ネットワークの物は二母性生殖、女性婚で愛の行為の結果、子供を作るわけです……
「一応最低限の洗脳まがいの教育が行われており、建物ごとに自治が行われています」
「この近くの自治組織の代表を呼んでおります」
綺麗な方の多いこと……肌が真っ白で眼はパッチリ、人種的な特徴か眼の赤い女たちでほっそりとした人たちなのです。
無意識で媚びをうるというか、官能的で誘っているようにウルウルと相手をじっと見つめるのです……
……この目で見てよかったわ、これはまずいですね……殿方にいるところに出せば、レイプまがいのことが多発するのではありませんか……
服は厚手の長袖のロングベストのようなもので、靴は何かの皮を使ったブーツのようなものです。
肌の露出が少ないのはいいですね……
えっ、これ一枚?アンダーは?えっ、ノーパンノーブラなの?
「レオンティア様、この方が私たちの新しい『支配者』様ですか?」
「そうだ、クルティザンヌの『夫人 アサヒ』様だ」
ここでこの方たち、こんなことを云ったのです。
「新しい『支配者』様、私どもはすべてを捧げます、だからこれから先の『ご命令』を」
「私どもはどうするべきか、ご指示をください」
ここでレオンティアさんが、
「この者たちは命じなければ食事もとりません、黙っていれば飢え死にします」
「えっ、そうなの?では、まずは三度の食事をとり、生理的な排泄欲求があれば、トイレに行きなさい、一日八時間の睡眠をとり、汗をかいたらシャワーを浴び、二日に一回は入浴をしなさい」
「わかりました」
「それから今までの一日をまずは繰り返してください」
「とりあえずはそうして一日を過ごすこと、後日、貴女たちには絶対に守らなければならないことなどを命じます」
「レオンティアさん、最低でも彼女たちに仕事を与え、教育を与え、ネットワークの常識を教えましょう」
「軍政司令部の『ネーレーイスRTA203型』に計画を立てさせなさい」
そのあと、軍政司令部で統治の原則を話し合ったようですね。
「とこかく命令の序列を確立、上位者の命令が最優先、つまり女官の原則を徹底させる必要があるわ」
「そうですね、あと『ロボット三原則』のようなものも必要です」
この話、まとまったのでハウスキーパー事務局とミリタリーオフィスに提出されたのです。
で、上層部での討論の結果、なんとマレーネさんがナノマシンを調整したようなのです。
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