ファーストファストキス

       えっ、、、ない?

    いや、、、、んなわけあるか、、、

         ない、、、、



     はははっ、、、、、はぁ、、、

         すぅー、、、、

    俺、、、女になってるーーー!?

           


  あまりの衝撃に血の気が引き眩暈が起きる。

              


       「だ、、大丈夫?」



      「うぅ、、、、具合悪い」



 「顔が真っ青だよ?サラン、ゴーヤン、ルナ

   この子をマラバァのところまで運ぼう、」



     「んなら、オラが運ぼうが?」

         


  「ありがとうボーヤン、、じゃ任せるよ」


 そしてそいつにおんぶされてから、、、、、、


      そこからの記憶が無い、、、、



        起きると俺は、

   知らない人ん家の布団の上で寝ていた。

          


  「あっ起きた!!!マラバァ起きたよ!!

    心配したんだよ?大丈夫だった?」

      そう言って俺の手を握る


  

 「セイ、良いじゃん初めての人に

         そこまでしなくたって!」

      そう言ってセイの腕を掴む。

      

    

         「いやいや、

          サラン、、

      初めての人だからって

     具合が悪そうにしている人を

      放ってはおけないだろ?

  しかも僕たちは名前を交換した仲なんだ。

  もう初めて以上の仲にはなってるだろ?」

  サランは下を向いて顔を膨らませている。



        「あなた、

       レインだっけ?

   セイに迷惑かけるんじゃないわよ!」

    そう言ってどこかへ行ってしまった。



        「ごめん、

  サランはちょっと人への当たりが強いんだ、

      でも優しいんだよ!

     僕が昔森で迷子になった時

 一番に見つけてくれたのはサランだったし、

 僕が昔いじめっ子達からいじめられてる時に、

真っ先に助けてくれたのはサランだったし、、、

     他にも、、他にも、、、、、」



 やばい寝起きだから何も話が入ってこない。

       取り敢えずサランが

     優しいってことはわかった。



  「、、、、、ねぇ、、レイン、、、

        何だか君の

さらさらな白い髪と白い目と白い肌を見てると

   、、、、いや、、君を見てると

     、、、、君と話してると

     胸がドキドキするんだ

       会った時から、

  君を見てドキドキが止まんなかった

  これってレインのこと好きなのかな?」



     あれなんか今聞かれた?

    まぁ取り敢えず茶を濁しとくか

     俺はセイに微笑みを向ける。



「え、、、えっ?、、、な、、、なに?」



       「えへへ、、、」

   転生前の俺がこんなことをやったら、

      1人の人間にトラウマを

 植えつけるくらいの破壊力はあっただろうが、

    今の俺はどうやら可愛いらしい。

   これをやったらどうなるだろうか?



 「、、、、、、やっぱり好きだレイン!!」

           


        「へっ?」

  セイが突然そのおとなしそうな顔では

   考えられないほどの俊敏な動きで、

     自分の顔まで迫ってくる。



       「んぐっ!?」

      あれ?もしかして、、、

       キスしてる?俺、、、、

      はっ?何で?んっ?

        俺の人生で

    初めてのファーストキスが男?

   ウゲェ、、、舌入れてくんじゃねぇ、

       こいつ何歳だよ、、

    離れようにも手の圧力が、、、、

        離れられない、、



    

       その時、サランが、

  お盆の様なものを持って部屋に入ってくる。

 「はぁ、、、、さっきは悪かったわね、、、、

     水持ってきたわよ、、、って

     なぁにやってんだあ!!!!」

    俺の記憶はまたそこから飛んだ、、

   横から何か得体の知れないものが

   飛んできたことだけは覚えているが、

    そこからはなにも覚えていない。



       そして起きると、

  横には、例のベロチュー野郎ではなく、

    ヨボヨボのおばぁちゃんが

     背中を丸めて座っている。



     「あっ?起きたかい?

    その年で、お盛んなもんだ!」

        あれ?この声、

  逃げ道を教えてくれた人の声と一緒だ。

       


         「なぁ、

 おばさんあの時にドアを教えてくれた人だろ」

  


         「ほーぉ、

       覚えているのかい?

   あの時はまだ一才にも満たしていない

        様だったのに」



        「まぁね、

    でさあの時なにがあったか、、

       教えてくれないか?」



        「わしゃー

  言葉遣いのなってない子供が嫌いなんだよ」

           


     あっそっか、、、俺女だった。

      「教えてくれませんか?」


 

      「ふん、、まぁいい、、、

    テリトスとアリストンの戦争さ?」



    「はっ?テリ、、?アリス、、?

     ちょっと詳しく教えてくれよ」



         「ゔゔん」

         喉を鳴らす。



    「教えてくれませんか!!!!」



  「テリトスはお前の住んでた国の事だ、

      魔法文化で有名だった、

 が領土も小さければ、人口も多くはない。

       が魔導書なんかは

   各地方から集めた一級品ばかりだ、

 だからアリストンはその魔法の知識を強奪し、

      自分の力にするために、

  全兵力を上げてテリトスを潰しにかかった、

    最終的にはアリストンが勝ったが、

テリトスの連中は自分ごと火だるまになる覚悟で

   その一級品の魔導書を燃やし尽くした。

     はぁ、、、、なんて勿体無い」


  

     「アンタ、レインだろ?」



    「えっ?名前知ってたのか?」



      「アンタの母親から

  こちとら山程自慢話を受けてるんだよ!

     全く、、勘弁してほしいよ」



    「あっ!そういやお袋、、、、

      心配してないかな、、」



  「安心しな、もう話は付けといた。」



     「はぁ、、良かった、、

  でもどんな顔してた?悲しんでたか?」



      「はっはっはっ!!、

   お前の母親はな、成長したなんて、

       ひっひっひっ!!」

 


      うわ、、出た魔女、、、


    早く帰りたいなぁ、、、、、、


      

   「あのさ、、、おれ、、、、

       私いつ帰れるの?」

      うえ、、、、

  自分で言うとなんか気持ち悪いなぁ、

     違和感が半端じゃない。

      私って言った瞬間

   転生前のおれの顔が脳裏に、、、、



「あぁ、、そのことについてだけど、

      今日からアンタは

  此処で住み込みで治癒魔法の訓練に

      励んでもらうからね」



  「はっ?住み込み!?おばさんと!?」

   俺は治癒魔法という言葉より先に、

このおばさんと住み込みで一緒に生活することに

  驚きと興奮と嘆きと落胆を隠せなかった。

  


        「いや、、

 いやーでもお袋が悲しんぢゃうからなぁ」



   「そこもちゃんと対策済みだよ、

  お前の母親は頑張ってこいだってよ、

      お前が此処にきた時、

ちゃんとお前の母親に了承は得てるからね」



   あっ、、、、終わった、、、、、

  牢獄から抜け出し、天国を味わって、

       地獄を味わい、

  最終的に牢獄に帰ってきてしまった。

     ただいまマイホーム。


   

        「ほら、

      わかったらさっさと

 着いておいでお前の部屋に連れてってやる。」

    渋々俺はおばさんに着いていく。

   


  「アンタ、おばさんなんていうのは、

    時間がかかって手間がかかる、

    これからはマラバァとお呼び」


      

    もうなに言っても無駄なので、

     最小限の悪あがきとして

    俺はやる気のない声で答える。

    「へいへい、仰せの通りに」



    「ほら此処がお前の部屋だよ。」



  そう言ってドアノブを開けて中を見せる。

     中は思った以上に簡素で、

  机と棚に何かの分厚い本が入っている。

     そして二段ベットがある。

    そして二段ベッドの上には何かが

     布団をかぶって動いている。



 「あぁ、あれかい?サラン出ておいで、

      また人見知りかい?」



      「だってー、

 どんくらいイケメンなのかなー、、、」

    布団から出てきて俺のことを

    見たあと5秒くらい固まって

 その表情は段々怒りの表情へ変わっていく。

  

           

     「レェイィン!!!!」 

  二段ベッドの上から飛び降りてきて、

   息を荒げながら、俺の首を絞める



 「あぁお前ら知り合いかじゃあ話が早い、

 サラン明日からレインも一緒に住み込みだ、

  レインには治癒魔法を教えるつもりだ。

 さっ明日から此処の生活を教え込んでやりな」



     「いやだって!!!

   来るのイケメンって言ったじゃん

 だから相部屋でいいよって言ったのに!!」



    「それじゃあ楽しんで」



      ドアが閉じて

やり場のない怒りを溜めた顔は鬼に近かった。



  うぐっ、、此処は話を合わせなきゃ、

       俺が殺される。

   「イ、、イケメン好きなの、、?

     私も、、好きだけど、、

      どんな人が好き?」

   こんな事で怒りが収まるのか?

     逆にサランとやらに

      今はなに言っても

  起爆剤になってしまうのではないか?



   「えー、、えー、、、、うーん」

   頬を一気に赤らめて、両手で覆う



    あっ、これいけるわ、、、



     「隣のズイサさんは

    ワイルドなイケメンだし、

 レイさんはしっとりしたイケメンだし。

     でもやっぱりセイかな、、

 やっぱりセイに敵うものはいないよー。」

  

     

  「えっ、、、あのベロチュー男」



    「あ、?なんか言った?」

     封印された殺気がまた、

     解かれようとしている。

   


   「いやいや、、、何もない。」


           

    こんな感じで俺とサランの

     共同生活が始まった。

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