転生してもTS転生なのでまた女性からはモテなさそうです。
神主 水
男の勲章がない!
何だか外が騒がしい、、、、たくっ、
今何時だと思ってんだよ、
まだ真っ暗じゃねぇか、、、
目を擦りながら、
まだ白くぼやける視界を
目を細めて見ようとする。
どうやら赤くゆらゆらと揺れたものが見える。
まるで炎みたいな、
香りも香ばしい。
火事みたいだなぁ、まるで、
あっ、、、火事、、、、、、、、、
ん?、、、、、火事?、、、、
その炎は、みるみる赤く染まっていくが、
俺の顔面はみるみる青くなっていく。
ああああああああ火事だあ!!!!!
俺はこの状況から必死に逃げるために、
体をジタバタさせ、
誰かに助けを求めるように、金切り声を上げた。
「レイン、、此処なら大丈夫、
大丈夫だから、、泣かないで、、、」
あれ?何だこれ?声が、、、、、
はっ?
何で俺泣いてんだ?
泣く気ないのに何故か涙が、、、
ん?そういや体が自由にうごかねぇな、、、
布団にしては、
重い何かに拘束されているような、、、
てかっ、この聞き覚えのない声は?
誰かが、近づいてくる足音が聞こえ、
複数の男たちの声が聞こえる。
「今、、こっちから赤ん坊の声が、、、、
いたぞ!!、、、捕えろ!!!!
テリトスの残党だ!!」
「まずい、、、どこにいけば、、、、」
「おいそこの若いの、
いい抜け道を教えてやる、、きな」
声質からして、
90程のおばあちゃんのような感じがする。
声は魔女みたいでどぎついが、
やろうとしてること自体は優しい。
「貴方は?」
「つべこべ言わずにとっとと来な」
それから数分後
「ほら此処に魔法でつなげた扉がある、通りな」
バキバキ、
木が引っかかる音が聞こえる。
「あれ?あの開きませんけど?」
「当たり前だ、
魔法の扉なんだから魔法でないと
開かないに決まってる。」
「えっ?で、、、でも私、
魔法の才はからっきしなくて、、、」
ん?ちと待て、、、、
こいつらは
何をさっきから変なことを言ってるんだ?
魔法やら何やら、文化祭か何かか?
「はっはっはっ、、そいつは残念だ!!
愛する子のために、力を振り絞れ!
それともこの炎の渦で溺れ死ぬか?
ケケケケケ、、」
うわ、、怖、、、、、
完全に魔女だよ魔女、、、
てか、愛する子って何だ?俺のお袋の声は
もうちょっと
丸いようなはずなんだけどな、、
そういやレインっていうのは?
この女性の子?
あれ?ってことは?つまり俺?
それって考えられることは、、、、、
転生したとか?
いやいや、
漫画とかアニメとかの話だけだろそんなの?
いやでも確かにこの前見たアニメを見てから、
俺も転生したいとは思ったけれども!!
流石に早すぎだな、
でも、転生したとしたら、
何となく辻褄が合うのも確かだ、
てか、
転生っていたら何でも辻褄が合うんだけど
俺がこの女性の子供であることも、
魔法やら何やら意味のわからない言葉が
行き交っているのも、
この自由が効かない体も、
声も、、、、、、、
多分、俺赤ん坊に転生してるわ、、、、
その考えに至った瞬間頭の中に、
寝起き特有のぼやが消え、
聴覚も視覚も鈍かった触覚も味覚も嗅覚も
ちゃんと感じれるようになってきた。
全てが視界の中で繊細にくっきりと見えてくる。
首は動かせないが、
自分の母親らしき人が見える。
鼻がくっきりと高く、
肌は真珠のように白く美しい
それ以上に髪と目は雪の様に白い。
「お美しいお方だ、、、、、、、
お付き合い願いたい、、、」
もちろん赤ん坊である俺には、
こんなこと言える由無く、
あうあう言ってるだけになってしまう。
そんな俺を笑いながら、
頭を撫でてくれるのもポイントが高い。
バゴッッ
「やった!!!開いた!!開きましたよ!!」
完全にドアをぶっ壊した音が聞こえたが、
俺は首が、、動かせない。
「ひっひっひっ、、、
力ずくで開けたか、、、なかなかの怪力じゃな、
まぁいい、ついてこい追ってが近いぞ。」
そういや俺たちは、
何で追われているんだろうか、
さっきの炎の様なものは?
何とかの残党って何だ?
追って、、、、、、
あっ、、、、戦争か!!!
「居たぞ!!!残党だ!!」
「ほらっ、、
言わんこっちゃない早く中へ入りな!」
全身が激しく揺れる、
どうやら全力で
ドアに向かって走っているらしい。
そして、
ドアの上の部分の縁が見えたかと思えば、
一気にあの赤く光る夜空は黒くなり、
温度が下がるのを布越しに感じた。
「はぁはぁはぁはぁ、、、、」
お袋らしき人が、息を切らしている。
どうやら相当本気で走ったらしい。
「入るのがもう少し遅れてたら、
あんたを置いてってたからね、、、
ほら、着いて来な。」
そこから、俺は、
夜空を見上げるだけになった。
なんの振動もなく、
ただ心地よく揺られ、
いつの間にか寝てしまった。
目を覚ますと、
俺はベットの横に寝ていた。
俺を包んでいる腕はおそらく
母のものだろう。
まだ足や手に力がはいらない。
まぁ、赤ん坊だからしょうがない節もある。
横を向いたままで、
上に向けないのは少しイライラするが、
我慢しよう。
目を開けると、
シミが染み込んだ壁に、
花瓶とその中に飾ってある
赤い花の絵が飾ってあった。
見たこともない花だが、、、、
そういや、転生したのか俺、、、
寝起きの俺は、
頭の回転が顕著に遅くなる。
転生したということも忘れかけていた。
転生した体でも、
その特性は無様にも受け継いでいる様だ。
「おはよう、レイン、」
後ろからのいきなりの声に、
俺は体をビクッとさせる。
「よいしょ、」
そして俺はベッドから持ち上げられ、
名前はわからないが、
木の襟の様なものの中に入れられた。
上には、小さい木馬や、戦い会う人間、
それを見る得体の知れない奴が、
つる下がって、ぐるぐる回っている、
「お昼と夜ご飯には戻ってくるから、
此処で待っててね」
頭を撫でてくる、母親。
腕にぽつりぽつりと、
冷たい大粒の雨の様なものが
落ちてくるのがわかる。
えっ?どした?もしかして泣いてる?
「守り切ったよ、、、あなた、、」
あなた?そういや親父がいないな、、、、
戦争に行ったんだなきっと、、
「いや、、いやいや、、、、
まだ守りきれてないか、、、
この子が自立するまで私が支えなきゃ、」
そう言って母は、自分の頬を両手で叩く
「よし!!じゃあ行ってくるね!!レイン」
そこから、お袋は毎日昼と夜に帰って来て、
おむつなどの用事を済まして、
俺に飯をくれてからまた、
どこかへ行ってしまう。
お袋が何をしてるか、
気になると同時にそれよりも俺は、
退屈との日々と俺は戦っていた。
とにかく退屈すぎる、、、、
ずっと寝続ける日々、、、、
その生活が続き5年が経った、、
1年くらい経つと、
自分で首を動かせる様になって
周りを見れることができる様になり、
外では、誰かがしゃべりあって笑い合っている。
窓の外には、畑が広がっており
時々何人かが作業しているのが見え、
その奥には山が見える。
そこから2年ぐらい経って、
ようやく全身が使える様になって来た。
俺は、檻を使って立つ練習をしたり、
檻の中でハイハイなどの練習をしたが、
意外にもこれが難しい
はいはいで移動すると、
どちらかに傾いて結局倒れてしまう。
焦りから躍起になって、
練習しても以上に疲れて、眠くなってしまう。
結局はいはいに1年費やしたが
そこから一年は無理なく立つことができ
その少し後には歩くことさえ
可能になっていた。
あの地獄の様な訓練が、
間接的に功を奏したのだろうしたのか?
その頃にはもう話すことも
楽々とこなせる様になった。
口の開き方とかはわかってるから、
あとは発音とかを練習するだけで済んだ、
その過程でどうやら自分の声は
相当高いことに気づいた。
女の子みたいな声をしている。
まぁ、
声変わり前はみんなこんな感じなんだろう。
まぁもちろん出来ることが増えて行って、
嬉しいわけだが、一番嬉しいのは
何かできることが一つ増えていくたびに
笑ってくれるお袋の顔だった。
まっ、、、まぁ、そんな事はどっちでいい
今日は一つ計画を立ててある、、、
この牢獄からの脱走だ、
5年前から計画をしていた、、、
この計画をついに実行する時が来た様だ。
お袋が心配して、
この中に入れてるのかも知れないが、
過保護は子供にも良くない、、、
俺は5年前は檻で、
今は柵となった木柱に手をかけ足をかけた。
そして出ると、
腕でぶら下がり、足から見事な着地を決めた。
さぁ、、、久々の外だ、、、、、
やっと、やっとこの退屈な地獄から逃げ出せる。
転生して、
5年間監禁されるってどういう事だよ、、、
ふぅ、いよいよだな、
俺はドアノブを背伸びして下に下げた。
ドアを開けると、
中へそよ風が流れ込んでくる。
外でずっと俺が出てくるのを
待っていたかの様に。
何軒か木造の少し苔のついた家があって、
その前を遊んでいたであろう
俺と同い年ぐらいの
子供四人組が目を丸くしてこちらを見てくる。
多種多様な髪の色をしている。
その髪色を俺も目を点にさせながら見ていた。
数分間俺たちは見つめあった、
すると1人
タッパのでかい茶髪の男子が話しかけてくる。
「ねぇ君、初めまして?ぼくセイよろしくね!
君の名前は?良ければ一緒に遊ばない?」
「えっ、、、えっと、、俺はレイン、、、
良いよ遊ぼう」
そう、俺は転生したは良いものの、
心と魂は俺のままだ。
そう小中高大と
友達を作ろうとしなかった俺に、
此処までガツガツ来られると
流石に相手が子供でも吃る。
「へぇー、君女の子なのに
俺なんて言ってるの?
勿体無いよそんな可愛いのに」
はっ?、、、俺女の子なの?えっ?
ああ、
そうだこういう時のために
男の勲章が役に立つじゃないか、
俺は汚れた服のズボンから、
勲章を確認する。
手慣れた手つきでズボンの中を確認する。
心臓音が聞こえ、
体がそれに合わせて振動している。
あれ?、、、、、
ない?
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