訳ありのお葬い。今度は何が⁈とワクワクしちゃう不謹慎な私を許して。

火葬場。
それは亡くなった人と『本当に最後のお別れの場所』。

不思議なもので、お骨になると

「あぁ、この人はもうこの世には居ないんだ。さよならなんだな」

と心に整理が付く。
本来は名残惜しくも送り出す場所だが、この小説では「訳あり」な火葬に遭遇する。

頼りになるベテラン藤戸さん、燻銀な渋いカッコよさがあって何があっても冷静で「まぁ、そんなこともある」と粛々と火葬を執り行うのに対して、資料を読み忘れたりとなにかとすっとぼけてるのに、最初はビビるのに決して逃げない肝の据わった狭山くんのコンビがいい味。
途中加入のミステリアスな美女、清澤さんもいいキャラなんですよ。……怖いけど。怖い美人は最高。

オムニバスホラーとして、納得のストーリー、作者さんの広い知識がふんだんに散りばめられていて怖さの中に納得、同情、憐憫があり実写のドラマで見たいと思う作品です。

暖かい部屋で真冬のホラーはいかがかしら?

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