ミステリーですが、SF的な要素を秘めた物語です。時々、起こる予期せぬ展開に恐怖を感じます。一番の驚きはキャラクターの豊富さで、あやふやさがなく、一人一人に個性があって、きちんとキャラとして成り立っている所ですね。よく人の動き、人の流れを観察してるんだなと思いました。全体的に純文学に近い作風で、地の文で読ませる感覚です。派手さはないですが、読ませてから納得させるタイプで、物書きのお手本のような作り方。また一つ、一人の作家として垢抜けた感じですね。
まだ終わっていない話の文章レビューを投稿するのは珍しいんですが、今、凄い話になっているんですよ。ジャンルはホラーなんですが、SFでもあり、ミステリーでもあるんです。そして話のスケールがどんどん大きくなっているんです。最終的に、世界はどうなってしまうんだろうと心配になります。もしかして、わたしにもあれが見えるようになってしまうのではないか、と不安にもなります。