第二章:人々の暮らし

時が流れ、人間が地上に現れました。


広大な海の向こうから小さな船でたどり着いた彼らは、

海岸沿いにぽつりぽつりと小さな小屋を建て、やがて村となって行きました。


ですが、その村の暮らしは決して豊かではありませんでした。


海から魚を獲り、畑を耕す者もいましたが、

土地は痩せており、思うように作物は育ちませんでした。

漁も不安定で、嵐のたびに船を失う者もいました。


「このままでは、村の暮らしが成り立たない……。」

村人たちは何か新しい生業を見つけなければなりませんでした。


そんなある日、一人の漁師が気づきました。

「浜辺の砂の中に、時々光るものが混じっている……。」

手に取ると、それは小さな金や銀の粒でした。


最初は誰も気にしませんでしたが、

やがて他の村人たちもその金銀の粒に気が付き始めました。


そして、村人たちは、

この金銀はどこから流れてくるのだろう?

と考えるようになり話し合いました。


「この金銀、もしかしてあの島から流れて来ているんじゃないか?」


村から見える沖合には、大きな島がありました。

遠くから見ると、その島の山々は険しく、

深い森に覆われているように見えましたが、

中でもひときわ高い山の頂は、光り輝くように見えていたのです。


ですが、その島は昔から

「鬼が住む島・鬼ヶ島」として恐れられていたのです。



「でも、誰も鬼ヶ島には行った事はないんだろう?」

「だよなぁ。ただの噂なんじゃないか?」

「だが…もし鬼ヶ島に金銀が眠っているのなら、村は豊かになるぞ!」


そう考えた村人達は、島を調べることを決めたのでした。



続く~第三章へ~





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