加護なし・スキルなし──それでも“勇者フェチ”をこじらせたケイルは、最強勇者パーティに同行……いや、ほぼ“ぶら下がって”旅を続ける。「隣を歩けるだけでいい」と願った瞬間から、物理的にも心理的にも増えていく傷。チートな面々が余裕で死線を抜け、ケイルだけが翻弄される日々のなかで、段々と勇者一向に必死にしがみつこうとする彼の姿の方が眩しく見えてくる。このまま勇者の背を追うだけの人生か、それともいつか並び立つ未来が待つのか。“モブ目線”の冒険譚。おすすめです。