IF~青春よ、もう一度! もしも、あの頃に戻れたら~
風雅ありす
第1話 事故
リビングのテレビで、今話題の有名人特集の番組をやっている。
皆野 真呑奈
「へぇ~、この人、私と同じ高校出身なんだ。
……そういえば、いたなぁ。
卒業してから全然会ってないから、すっかり忘れてた」
皆野 真呑奈
「こんな有名人になっちゃってたんだ。すごいなぁ」
皆野 真呑奈
「もし、高校時代にもっと仲良くなっていたら、違う未来があったのかなぁ……」
皆野 真呑奈
「……なんて。さ、食料買い出しにスーパー行こう」
――スーパーのレジにて。
レジ店員
「4,980円になります」
スーパーのレジで会計を済ませて、購入した品物をエコバックに手際よく詰めていく。
私の名前は、
どこにでもいる普通のOLだ。
衣食住にも困らず、それなりに青春を謳歌して人生を楽しんできた私だが、一つだけ後悔することがある。
それは、結婚。
まだまだ若いからと、仕事に趣味にと勤しんでいるうちに、いつの間にか気付けば周りは主婦ばかり。
結婚適齢期を過ぎても未だ独身でいる。
………ついでにいうと、彼氏もいない。
これでも若い頃は、それなりにモテていた。告白された数は数えきれないほど。
思えば、高校最後のアノ時が人生最高のモテ期だった。
しかし、愚かにも天狗となっていた私は、華やかな大学ライフを夢見て、それらの誘いを全て断ってしまった。
それから大学、社会人と経て、相手がいなかったわけではなかったが、悉く結婚に結びつかなかった。
もし、あの時……どれか一つでも誘いを受け取っていたら……今と違った人生があったのだろうか。
もちろん、こんなことは考えるだけで不毛だとわかってはいる。
…が、考えずにはいられない。
もし、時間を遡ってやり直せるなら……戻りたい。あの頃に………!
休日のスーパーからの帰り道に、そんなことを考えてしまうのは、やはり年の所為だろうか……。
その時、突然、小さな子供が車道を走る車の目の前に飛び出すのが見えた。
皆野 真呑奈
「危ないっ!」
私は咄嗟に、子供を庇って迫りくる車の前に飛び出していた。
キキーッ、どん。
私の身体は宙に投げ飛ばされ、反転する視界の端に、一週間分の食糧が入ったエコバックが地に落ちるのが見えた。
そして、私の意識はホワイトアウトした。
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