第2話 始まりを告げる太陽

アル「ここがアタシの家だ、お前話聞く感じ行く場所ねぇんだろ?」

アキ「ああ」

アル「よし、なら条件付きで住まわせてやる」

アキ「条件付きか……」

アル「んだ?まさか見返り無しで住まわせてやるやさしーヤツに見えてたか?」

アキ「いや、いいんだ、気にしないでくれ」

アル「条件はアタシとギルドを組むことだ」

アキ「ギルド……?」

アル「まあチームだよ、アタシとお前でチーム、いいな?」

アキ「わかった」

アル「でだ、お前の剣を知りたい、鍛冶屋に行くぞ」

アキ「なぜ使用者でもないアルが俺の剣を知りたいんだ?」

アル「お前の剣には覚えがある、グダグダ言わず着いてこい!」

アキ「わかった、わかったよ」


─鍛冶屋 スルト─

アル「レミー、元気にしてるか?」

レミー「何か用か」

アルはレミーという鍛冶屋を紹介してくれた、アル曰くいつも仮面を被り、どんなヤツかも分からないが鍛冶屋としての腕はいいらしい

アル「コイツの剣を見てやって欲しいんだ」

レミー「どんな剣だ、そこら辺で拾ってきたなんて言ったらこの金槌で叩きのめ─」

レミーは訝しんだ表情で僕を見ていた、まるで人で無いものを見るような冷たい目だった……

レミー「お前、その剣をどこで手に入れた」

アキ「これか?これはいつの間にか持って─」

レミー「嘘をつくなッ!その剣を持つって言うのがどういう意味かわかってるのか!!」

アル「待っ待て!どうしたレミー?おかしいぞ……!」

レミー「その剣なら鑑定しなくたってわかる」

レミー「魔剣イミテーション・コル……このフィーリアの地に古来から伝わる英雄の剣だ」

アル「やっぱり……!どっかで見た事あると思ったんだよこの剣……!」

アキ「そんなにこの剣は……すごいヤツなのか?!」

レミー「ああそうさ!すごいなんかじゃ収まらない……使用者に永遠の命を与え全てを切り裂く力を得る……そんな剣をお前が持てるはずない……!」

アキ「へぇ……これがあれば……俺は……!」

アル「なあレミー!確かにこの剣は凄いやつらしいがそんなに叫ぶ事ないだろ?」

レミー「お前達は何も分かってない……その剣がどんな物なのか……!」

アキ「なあ鍛冶屋さん……これがあれば俺は全部ぶっ殺せるんだろ……!」

レミー「ああ……全てお前の技量次第だがな……」

アキ「これで……俺は全部に勝ってみせる……」

アル「アキ!なんかお前もおかしいぞ!」

アキ「いいや、俺は普通だ」

アル「ッ…そうか……」

アキ「ほら、ギルドっての組むんだろ?早く行こうぜ」

アル「あ、ああ……」


─帝都ヘリオス 冒険者ギルド─

アル「頼む、ギルドを作りたいんだ」

受付「ギルドですね、人数は?」

アル「向こうにいるこいつとアタシで2人だ」

受付「あ〜……すみません冒険者ギルドの作成は3人からになってまして……!」

アル「えっ……?!そ、そうだったのか……すまない、時間を取らせて」

受付「いいえいいえ、また人が集まったらどうぞ」


アキ「どうだった?」

アル「3人からだってよ……」

アキ「3人から……あと一人足りないわけか……」

アキ「あ、あのレミーとかいう鍛冶屋は?」

アル「えぇー?あの反応じゃなってくれなさそうだがな……」

アキ「まあいいだろ?とりあえず誘おうぜ」


─鍛冶屋 スルト─

アル「レミー……」

レミー「何の用だ」

アル「お前に……相談あるんだ」

レミー「早めに済ませろ」

アル「アタシ達のギルドに……入って欲しいんだ!」

レミー「あのアキとかいうやつも一緒なんだろ?」

アル「うっ……それは……!」

レミー「いいさ、入ってやる」

アル「い、いいのか!?」

レミー「お前の腕は確かだ、もしかしたら新しい武器を手に入れれるかもしれん」

アル「よっしゃあ!ありがとうレミー!お前から貰った恩は一生忘れないからな!」


─帝都ヘリオス 冒険者ギルド─

アル「受付さん!ちゃんと3人集めてきたぞ!」

受付「お、集めてきましたか!おめでとうございます!クランの名前と名簿をお願いします」

アル「なあレミー、アキ、クランの名前どうする?」

アキ「俺はなんでもいいぞ」

レミー「……ムスペルヘイム」

アル「ムスペルヘイム?なんだそりゃ」

レミー「ん?ああ、思いついただけだ」

アキ「……」

スルトがムスペルヘイムとは……よく思いつくな、この鍛冶屋


アル「受付さん!いけたぞ!」

受付「はい、承りました、これから良い冒険を!」



─1時間後─

アル「お前ら!準備はいいか?!」

アキ「ああ、そこの鍛冶屋は?」

レミー「ぐ……お前たち私が色々と持たないといけないのをわかってるのか……?」

アキ「大変そうだな」

レミー「そう思うなら1個くらい持って欲しいんだがな……!」

アル「ほらほら!最初っからそんなんじゃダメだぞ!」

アル「アタシ達の冒険の始まりだ!」

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