異世界で僕は全てをやり直す

玖躰 延慶

序章 魔剣を手にする者

第1話 全てはここから


僕は章弘あきひろ、ただの高校生

冴えない、特技もない、何も出来ない男


友達がいる訳でも無く学校に行っても1人、そんな僕は...


異世界転生した

僕もよく見ていたからわかる、所謂中世ヨーロッパのような景色

僕はここで…全てをやり直す



─異世界─

章弘「ん…ここは……」

章弘「そっか……僕は転生したんだんだな……」

章弘「それにあの時見た夢で神だとか言うのが僕に武器を渡して来たのも……どこか知ってる」


数時間前、僕は乗用車に轢かれて目の前が真っ暗になった

その時……よくある話だが神を名乗るヤツに能力を貰った

でも……ふわっとしか覚えていない、確か……魔剣と呼ばれる物を託されたらしい


章弘「これがあれば……僕はやり直せるのか……?」

グルルルォォォォォォッッ!!

章弘「なっ?!」

僕の目の前には車よりも大きな化け物がいた、ソイツは興奮し、今にも僕へ飛びかかるほどに激昂していた

章弘「こ、こいつ……!」

???「そこのお前ッ!下がれっ!」

章弘「だっ……誰だ!」

???「うぉぉぉりゃぁぁっ!」

ドゴッ!バギッ!バギッ!

僕の目の前には鎧を着て大きなハンマーを振り下ろす女性の姿があった

彼女は容赦なく化け物にハンマーを振り下ろし、情け容赦のない打撃を頭部へ打ち込む、1発、また1発と打ち込まれているはずなのにその化け物は怯む様子も無く反撃の一手を繰り出した

バギィィンッ!

???「ぐぁぁぁぁッ!」

化け物の重い一撃はその女性の鎧を容赦なく砕き、遠くへ吹き飛ばした

タッタッタッ!!

僕は攻撃を受けた彼女の前に立ち、手を大の字に広げた

???「お前ッ……?やめろ!死ぬぞ!」

章弘「いいや……僕には力がある……!」

パキッ……パキッ……バキバキッ……!

僕の腕に結晶のような物が集まり、長く、剣のような物が形作られていった

パリィィンッ!

その結晶が砕け、僕の手には1本の剣が握られていた

章弘「これが……魔剣……?」

???「おいおいお前……その剣って……!」

章弘「こ……来い……化け物ッ!」

グルルルォォォォォォッッ!!

章弘「僕だって……誰かを守ってやるんだッ!」

僕は向かってくる化け物に剣を向け、一心不乱に振り下ろした

冷静では無い筈なのに的確に化け物の弱点を狙い、1つ、また1つと戦意を削ぎ、化け物はもう動けなくなっていた

グルルル……

章弘「終わりだ……!化け物!!」

ズバァァンッ……!

化け物は力無く倒れ、塵となって消えた

章弘「はあ……はあ……大丈夫?!」

???「お前……その剣が何かわかってるのか……?」

章弘「さぁ……分からない……」

???「わけも分からずソイツを使ってたのか……でもなんでこんな奴が魔剣を……」

章弘「魔剣……あの神の言うとうり……」

アル「なあ、アタシはアル、この近くの都市に住んでる、お前の剣をあるヤツに見せたいんだ、来てくれるか?」

章弘「ああ……わかった」

アル「お前、名前は?」

章弘「僕は……」

僕は黙ってしまった、何故かは分からないが名前を言う気になれなかった

そして……僕は言った

章弘「アキ……俺は……アキだ」

アル「アキか、よろしく」

アキ「アル……聞きたいんだ、ここは……なんなんだ?」

アル「はあ?」

アキ「俺は…ここが何処か分からないんだ」

アル「はあ…?こ、ここは大地フィーリア、ほかの大地に比べると工業は発展してないが……まあいいところだ」

アキ「ま、待ってくれ……他の大地ってなんだよ……?」


僕はアルの住む街、帝都ヘリオスへ向かう途中、この世界について教えてもらった

この世界は昔12の大陸に別れていた、しかし数多くの天変地異や厄災に見舞われ、この世界は5つの大陸に分かれたらしい

1つ目は大地フィーリア、工業も発展せず、貿易も多い訳では無いがアル曰くいいところらしい

2つ目は大地アルケー、フィーリアよりも工業の発達していないほぼ未開の地、原始人やオークなどが多いらしい

3つ目は大地プログシング 工業が発展し、蒸気機関、電灯などが開発され、僕らの世界で言う銃器もあるらしい

4つ目は大地ユンクティオ 交易が発展し、主に食料などに長けている大陸、エルフが多くを占めているが魔獣の侵攻により数は少ない

5つ目は大地エデン 地図にも記され、伝承もあるのに誰もたどり着いたことの無い未踏の地、誰もがエデンを求め散っていった


アル「着いたぞ、アタシの住む帝都ヘリオスだ」

アキ「ここが……」

帝都ヘリオス、大地フィーリアで最も繁栄している場所、明るい光で溢れ、人々は皆笑っている

でも、光があれば影もある、じきに僕はそれを知る事になる







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