第18話「過去の罪と封印の扉」
真実の扉
莉子は「朝霧家」の名前を見つめながら、息をのんだ。
「また……朝霧家?」
玲は報告書の古びた紙を指でなぞる。
「朝霧家は、この学校の創設に関わっただけじゃない。封印された記録の管理にも関与していた。」
航汰は険しい表情を浮かべた。
「詩織先輩の家族が、何かを隠そうとしていた……?」
莉子は静かにうなずいた。
「開かずの図書室の謎を解いたときも、朝霧家の名前が出てきた。そして今も……。」
玲が慎重に資料をめくると、さらに一枚のページが現れる。
そこには、消えかけた筆跡でこう書かれていた——
『この場所には過去の罪が眠る。決して公にされることのない記録がある』
莉子の胸の奥がざわめく。
「つまり……この記録が公になれば、何かが変わるってこと?」
玲はゆっくりと頷く。
「過去を封じた者がいた——そして、今それを知ろうとしている者がいる。」
隠された罪
玲は慎重に資料の次のページをめくる。
そして、その中に記されていた一文を読み上げた。
『黎明学園創設時、財政問題により一部の資産が不正に流用されていた。この件に関する記録は、関係者の要望により封印される』
莉子は息をのむ。
「……つまり、学校の創設に関わる“罪”が、記録として残っていた?」
玲は静かにうなずく。
「そして、その関係者の中に——朝霧家の名前がある。」
航汰が眉をひそめる。
「それじゃあ、詩織先輩の家族が、過去に学校の財政問題と関係してたってことか?」
莉子は考え込む。
「詩織先輩は、この記録が表に出るのを恐れていたのかもしれない。でも、それだけじゃない。」
玲が手紙の最後の一文を指でなぞる。
『真実を知る者はすでに消え、今やこの記録のみが残されている——』
そして、その記録こそが、囁き声の正体を解き明かす鍵だった。
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