第3話 彼の無償の愛、彼女への願い

帰宅後、引き出しの奥から

見覚えのない箱を見つけた。

開けると

中には押し花と小さな手紙が入っていた。




『君が忘れてしまっても、この花が、

いつか君の心に咲きますように。

忘れてもいい。

君が笑ってくれるなら、それでいい。』



文字は滲んでいた。

けれど、不思議と、懐かしかった。

何かを思い出せそうで、思い出せなくて、

もどかしい。

ただ、ただ、涙がこぼれた。

誰だか分からないけど

過去にも似たようなことが・・・?

それとも私がこうなることを予想して・・・?

でも今はこの言葉が胸に染みる。

救いの言葉に見える。



“笑おう”

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