嫁の浮気で自殺したら高校入学した頃に帰ったらしい。嫁とは決別して新しく与えられた人生を歩みます

楽(がく)

第一章 自殺した世界

変動する世界

第1話 タイムリープした世界

そもそも俺、那月雄大(なつきゆうだい)は元は全然モテなかった。

だから悪かったのか。

そう考えながら俺は快速電車を待ち合わせる。

それから俺は震えて涙を溢した。

クソ。


「グッバイ」


そして俺はそのまま快速電車に飛び込み自殺を図った。

衝撃と共に俺は。

死んだ筈だったのだが。


光が見えた。



「雄大。帰ろうぜ」


大学を卒業して社会に出てから社畜になり6年経ったある日。

電車に撥ねられ自殺した筈だった。

それから俺は何故か高校生になっていた。

しかも状況から言って高校1年生だろう。

入学してからあまり経ってない頃だ。


「あ、ああ」


目の前に居るこの男子は中学時代から友人の早乙女和義(さおとめかずよし)。

コイツは海外に王手商社の関係で行った。

短髪で褐色肌の少年。

俺に対して笑顔の絶えない少年だ。

いや。

青年だった。


「なあ。和義」

「ああ。なんだ?小テストの結果か?惨敗だぞ。勉強してないしな」

「違うぞ。今は何年の何月だ?」

「アホかお前は?2015年の3月に決まってんだろ。ボケたか?」


俺が死んだ日は2025年10月6日だ。

つまり10年前にタイムリープしている!?

俺は唖然としながら教室を見渡す。

人が少ない。

放課後らしい。


「小テストが点数が最悪でショックだったのか?記憶を失うとは無念よ」

「いやすまん。寝ぼけているらしい」

「しっかりしろよオメーさんよ。テストに関しては大黒柱なんだからよー」


それから和義は立ち上がりながら「よし。じゃあ気付にファミレス行こうぜ」と言い始める。

そして和義は俺の手を引いて立ち上がらせる。

そうして俺達は掃除当番に全てを任せてからそのまま学校を後にした。



その和義に付き合い別れた帰り道の事だ。

駅前のロータリーで男に絡まれている女の子が居た。

俺は見て見ぬふりで通り過ぎる通行人を見てからその男達と中学生に声をかける。

嫌なものは通行人の様に見て見ぬふりは出来ない。

警察を呼ぶ覚悟もしないとな。


「その子は俺の妹なんだが」


そう声を男達にかけてビックリする。

何故なら中学生の顔が見た事があるから。

コイツ...まさかアイツの妹の恵比寿永生(えびすながう)か?

大人になった姿しか最近は見てなかったから。


「あ?なんだテメーは」

「その子は妹だ。俺のな。だから手出しはするな」

「ち。なんだよ」


そう言いながら撤退して行く男どもを見ながら永生に声をかける。

「大丈夫か」という感じで。

大人びた顔立ちに丸い感じの目。

幼さを残す小顔でありながらもすらっとした身体つきに俺は「...」となる。

変わらない。


「ありがとうございます。助けて下さって。嬉しいです」

「...ここら辺はああいうふざけた輩も居るから気をつけてな。じゃあ」


それから去ろうとした時。

俺に対して彼女が「あの」と言ってくる。

その言葉に俺は「?」を浮かべる。

そして永生を見る。


「あの。もし良かったらお礼をさせて下さい。この辺りに美味しいクレープ屋さんがあるんです。それでもし良かったら...クレープを一緒に食べませんか」

「...」


なんだか必死の言葉に無碍にも出来ず。

俺は永生の言葉に「分かった。それだけなら」と言いながら永生に付いて行った。

前世にはなかった事だった。



「その制服は北里中学の制服だな」

「ですね。お嬢様学校とか表立っては言ってますが...女子学校なんてたかが知れてます。あはは」


そんな感じで会話が弾みながら俺達はクレープを食べる。

チョコといちご。

俺は懐かしいクレープに舌鼓しながら食べていると永生が「あ、私、恵比寿永生って言います」と永生は笑顔になる。


「俺は那月雄大だ。宜しくな」

「那月さんですね。記憶しました。対応がすっごく大人ですよね。その制服...高校生だからですか?」


関係ない。

前世があるからだ。

だがそうは言えないので俺は「まあ入学したてのホヤホヤだからかな」と苦笑した。

それから俺は永生を見る。

永生は俺に驚きながら柔和な顔をした。


「そうなんですね。私...憧れますよ。その大人っぽさ」


永生はそう話しながら笑顔になる。

俺はまさか「君の姉のせいで自殺して今に至っている」とは言えないので「まあなんかな。色々あるんだよ。人生にはな」とだけ言っておいて空を見上げる。


これは俺と恵比寿姉妹の。

数奇な運命の話だ。

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