第9話 九段 尾母代の前日譚
戦時中の日本。私の父親は兵庫県芦屋市の家で暮らしていたが、
空襲で家が焼けてしまう。
しかし、昔奉公していたお咲さんという方に会い、
勤めている屋敷へと案内してくれた。
その屋敷は空襲の危険もなく、戦況が苦しくなっているにも関わらず、
食事に困らない。
大きな屋敷にも関わらず住んでいる人物は、お咲さん、
病気にかかっているという姿を
見せない女の子、その女の子の母親である屋敷の主だけ。働き手はいないのだ。
父親は毎日を生きるのに精一杯であり、その事に違和感は覚えるものの
謎を追求しようとはしなかった。それでも、時おり、誰かの視線を感じたり、すすり泣く声を聞いたり
咲さんが汚れた包帯を持って奥の間に出入りするのを見かけたり、
獣の毛が付いた血肉の塊を運ぶのを見たそうだ。
ある夜、父は好奇心に耐えきれず女の子の部屋に忍んで行ったそうだ。
部屋は真っ暗で「麝香(じゃこう)」の匂いがしたそうだ。
父と母はそこで結ばれた。
それで私は産まれたらしい、父はそこで話をぼかして続きを話してくれなかった。
1995年(平成7年)1月17日5時46分52秒
淡路島沖を震源地とした「阪神・淡路大震災」で私は芦屋の呉服屋の自宅で
被災した。
「咲良(さら)!」「咲良(さら)!」
私は娘の名を絶叫した。自身は瓦礫(がれき)に挟まれて動けない。キナ臭い…火事?!
しばらくして火の手はあたりを覆った。
そして業火の中で娘の咲良のシルエットを見た。真っ赤な振袖を着た咲良
私を育ててくれた咲さんの一字をもらって産まれた愛娘…あなただけでも生きて…
しばらくして上空から光輝く球体が現れた。
「UFO?」
---光に包まれる---
「おばちゃんメシおかわり!」
「あいよー」
牧場の朝は早い。乳しぼりの前に簡単な食事を牧童に出すのが私の仕事だった。
その後は仮眠をとって藁を運んだり、掃除をしたり、昼間は事務所で電話番をしたり
帳簿をつけたりしていた。
芦屋の呉服屋の娘がこんな山奥で何の因果か「食堂のおばちゃん」をやっているって
なんでかねぇ、親の因果が子に報いというじゃないか…
秘密の階段を使って二階に上がる。
「咲良、ごはんだよ、お食べ…」
「******」
「フフフ…」 これが私の現在の時間線です。
思い出した記憶(1)
あなたの現在時間は1995年(平成7年)1月16日の夜未明です。
「ああ咲良(さら)は予言してしまった…件(くだん)であれば仕方のないことだけど…
せめて咲良の予言を聞いてみたい…
首を切ったのは咲児(さじ)ね、サラの最後の予言の時があらかじめ、わかったのね…
いいわ貴方の迷路(迷宮)にサラを連れて行って…
残った遺体は私が荼毘(だび)にする」
正直、メアリーあなたが憎い。あなたがこなければサラは死なずにすんだのに。
それが遅かれ早かれとはわかっていた。いままで生きてこれたのも
あなたのおかげとも…わかっている借りは返すわ…
この時間軸にいるのは何回目、わからない、どうしてもサラは死んでしまう。
何回この刻(とき)を会合(ループ)すればいいの?
私は今まで秘かに娘をこの施設(山の牧場)で匿い(かくまい)育てていたのを
思い出した。
あなたの目的 第一順位 メアリーの時間震を成功させる。
第二順位 時間震を使ってサラが生きている
時代に戻って人生をやり直したい。
第三順位 サジの迷路に誰も近寄らせない。
九段 尾母代 私は件(くだん)の母(くだん おもよ)
忌まわしきモロク(Moloch)、蚩尤(しゆう、拼音: Chīyóu)の末裔。
ギルバート・ハイライン MIB(メンインブラック)あるいは
ATS(アント・ツゥ・スピーカー)の初代長官。私の上司。
アイザック・ホルスタイン メアリーの現在の宿主。ナチスの残党。
真のサディスト。
メアリー・ホルスタイン 時の栞(しおり)。超命種(長命種)メトセラとも。
浜田 人志 死ぬ。
(はまだ ひとし)
南野 真琴 死ぬ。
(みなみの まこと)
箕輪 太郎 死ぬ。
(みのわ たろう)
奥津 果歩 死ぬ。
(おくつ かほ)
エンディング
九段 「あらあら時の番人が情けない恰好ね」
メアリーは椅子にがんじからめで拘束されていた。
メアリー 「私はバラバラになっても死なんぞ…痛いがな…それにそうなる運命は
回避される、はずだがな」
九段 「あなたも神様の末裔でしょうけど、私だって聖書の時代からの怪物よ」
「保護者がいない貴方、と私だけだったら五分五分の勝負ってとこかしら」
「タイムシフトが起こったでしょ、貴方がいない時に…その時確信したの
私だって時間に干渉できる。輪廻の輪から抜け出すことだって出来るって」
メアリー 「世迷い事を…」
九段 「私は予言する!
「阪神・淡路大震災の発生時刻は1995年(平成7年)1月17日5 時46分52秒」
そして同時刻にメアリーは死に全ての時間線は開放される!!!」
「そして予言は成就する。未来人が教えてくれたもの。私は件の母から件になった」
メアリー 「貴様、予言をしたら件(くだん)は死ぬぞ…モロクの呪いだ」
九段 「そう牛頭人体のミノタウルスだったり、人面牛体の件ならね」
「ここに私の娘の首があるわ…ミノタウルスのサジが戦斧で切り落とした
中身はサジがくりぬいて食べちゃったけど…これを貴方に被せたらどうなるか…」
「これが落語の「牛の首」この講談を最後まで聞いたものも死ぬ」
メアリー 「やめろ、そんな生臭い血塗られたモノを我にかぶせるな!」
九段 「取り乱した、トリミダシタワネェ、あなたのその姿がみたかったぁ…
ハハハハ」
その時、モォォォォという牛の嘶き(いななき)が遠くから聞こえる。
同時にズンズンという音とともに地響きが床に響いた。
九段 「ほらサジが、ミノタウルスが迷宮から出てきたわ…私の娘の首を落とし たように クダンの首を落としにくる…」
「私は退散するわ。だぶん彼を見たら正気を保てない…」
「これは予言でなくて確信だけど…今度出会う娘の顔は貴方だと思う・・・」
「阪神・淡路大震災の発生時刻は1995年(平成7年)1月17日5 時46分52秒」
フラッシュバック(ハンドアウト)
1995年(平成7年)1月17日 淡路島沖を震源地とした「阪神・淡路大震災」 で私は芦屋の呉服屋の自宅で被災した。
「咲良(さら)!」「咲良(さら)!」
私は娘の名を絶叫した。自身は瓦礫(がれき)に挟まれて動けない。
キナ臭い…火事?!
阪神淡路大震災の記憶 しばらくして火の手はあたりを覆った。
そして業火の中で娘の咲良のシルエットを見た。真っ赤な振袖を着た咲良
私を育ててくれた咲さんの一字をもらって産まれた愛娘…あなただけでも生きて…
九段尾母代のタイムライン
2020年(令和2年)3月10日
13:00 浜田、伴乃らのマーダーミステリー社一行が
バン(車)で朝日牧場(山の牧場)に到着、廃墟を探検。
14:00 九段尾母代が山の牧場に到着。
一回目のタイムシフト発生
2020年から1995年にタイムシフトした浜田人志昏睡。
九段は浜田を倉庫の二階の1号室「放牧のアボット」に軟禁。
1995年(平成7年)1月16日
15:00 但馬空港にチャーター便着
(密入国)
16:00 九段の運転で3人が牧場に到着。
1987年(平成23年)7月10日
16:30 2回目のタイムシフト発生
1987月年から1995年にタイムシフトした箕輪太郎昏睡。
九段は箕輪を倉庫の二階の2号室「屠殺のサジ」に軟禁。
2020年(令和2年)3月10日
17:00 3回目のタイムシフト発生
2020月年から1995年にタイムシフトした南野真琴
と奥津果歩が昏睡。
九段は南野を倉庫の二階の3号「搾乳のコステロ」室に軟禁。
九段は奥津を倉庫の二階の4号室「クダンノハハ」に軟禁。
日没 日没を待って九段は各々の部屋に行き覚醒剤を注射、各自の覚醒を
5号室のモニターで確認、全員が牛舎に行った事を確認して3人
に合図して自身も牛舎にむかう。
19:00 全員が牛舎に到着
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