事件構造はシンプルながらも、動機と心理の描写に一切の妥協がなく、実に“読ませる”ミステリーだと思います!ストーカー事件の構造そのものよりも、“なぜ見誤ったのか”“何を見ていなかったのか”という影郎の自省が、読みごたえを何倍にも引き上げている点が秀逸。推理だけで終わらない、だからこそ読後感が深い。キャラミステリ好きには特におすすめしたい一作です。