第12話 産まれた日
15歳で真亜を産み、20歳で海に帰り人魚になった母。
遺体は未だ見つからず、何処かで生きているのではないかと願い、真亜は待ち続けていました。
ママが痛い思いをして真亜を産んでくれた日だと、その時の私は考えてもいなかったかも知れません。
サーフィンの後、家に帰る二人。
真亜「奥様は?」
真亜「海様と一緒にご実家に?」
真亜(今晩は実家に泊まると連絡が来たみたい)
(シャワーを浴びて来なさい)とオジサマに言われて、浴室でシャワーを浴びます。
『ザーザー』シャワーが流れる音。
髪を洗い流し終わり、タオルで顔と髪を拭いていると、
『カチャ』扉が開く音。
真亜を抱きしめてキスをする。
シャワーの音のお陰で、全ての思考が止まる。
彼「真亜は、亜希にそっくりになった」
亜希は、真亜の母の名前でした。
今日は、真亜が女になると決めた日です。
気持ちの上では、もうオジサマではなく彼であり、それが不倫だとわかっていても、好きな気持ちは誰にも止められないのです。
真亜(彼の中にいる私のママは、20歳のままで、時間が止まっていて綺麗なまま)
一方で生きている奥様は、オジサマと同じで歳を重ねて行くのです。
息子と同じ歳の女の子を、幼い頃から(手懐けて)大切に育てて来たのだから、自分の所有物と同じだと思っていたのかも知れません。
真亜(最初は痛いけど次からは気持ちよくなるからねって言うけれど、オジサマは女になった事ないでしょ?)
真亜「痛い、オジサマ痛い」
海様とは未遂で終わりましたが、
真亜「大きいから無理です」
真亜(想像していたのとは違う、こんなに痛いの?!)
真亜の太ももから、一筋の赤い涙が流れては、排水口の奥深くへと消えて行きました。
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