滂沱 (ぼうだ)
ひとに生まれ
ひとを営んでゆく限り
水の流れは
常について回る
生まれ落ちた瞬間に
母親のぬくもりに包まれて
赤子が涙を流すのは
この世に生まれたことへの
憧憬か 畏怖か それとも
初めての涙の瞬間から
水といのちは
切って切れない関係に変わる
水のもたらす理不尽を受け入れて
水の流れに身を委ねないと
飲まなければ生きられない
救われなければ延命できない
共存しなければあすは見えない
なにより
悲しい時や
つらい時に
汗も涙も流せないと
ひとがひとである所以はない
悲しみも つらさも
すべて受け入れた果てに流す涙は
脈々といのちを繋がれてきた証
それがきっと
人間らしさという奴なのだろう
※滂沱:雨や水、涙などが激しく流れ続けるさま。
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